コラム

 公開日: 2016-09-18  最終更新日: 2016-10-13

リーダーシップ理論における「行動理論」とは

前回はリーダーシップ研究の第一段階、リーダーシップ特性理論「リーダーは作られるのではなく、特質を持って生まれている」についてご紹介しました。

1940年代からのリーダーシップ理論第2段階では、数種類のリーダーシップ「行動理論」が唱えられるようになります。

「行動理論」とは、他人に影響を与える人に共通する「行動パターン」を、行動科学の観点から定義付けしたリーダーシップ理論です。

「オハイオ研究」に見るリーダーシップ「行動理論」

1950年代、オハイオ州立大学の心理学者シャートルらが行った「オハイオ研究」も行動理論のひとつで、リーダー的行動のパターンを分類し、測定基準を策定した研究です。

私たちはごく自然に、有能なリーダーとそうでないリーダーという識別をしていると思います。では、その判断基準はどんなところにあるのでしょうか?

オハイオ研究では、リーダー的行動の測定基準を作成するため、職場での観察やインタビュー調査を実施しました。

その結果、リーダー行動として1700もの項目があがり、大きく分けると「構造づくり」と「配慮」という2パターンに分類されることとなります。

「構造づくり」とは、仕事自体に関心を示し、確実に成果が出せる組織にするためのインフラ整備、構造や仕組みの明確化を重視する行動パターンです。

「配慮」とは、メンバーそのものに関心を持ち、より良い人間関係の維持、構築を重視する行動パターンです。

あなたなら、どちらの行動をとるリーダーを、より「有能」と判断するでしょうか?

「ミシガン研究」に見るリーダーシップ「行動理論」

部下のやる気が高まるのは「この人のやり方ならついていけるし結果を出せる」と感じるリーダースタイルではないでしょうか。

1960年代、ミシガン州立大学を拠点に展開されたミシガン研究では、リーダー行動を「従業員重視」「職務重視」の2つのタイプに分けました。

その名の通り、「従業員重視」はチームの関係性を大切にし、メンバーを仕事の意思決定に参画させるリーダーシップです。

もう一つの「職務重視」は結果に重きを置き、一定時間内にあらかじめ規定された仕事をさせるというリーダーシップパターンであり、従業員重視に比べ、生産性は低くなるという研究結果が出ています。

「PM理論」に見るリーダーシップ「行動理論」

成果は上げられるのに人望がない…。集団をまとめる力はあるけれど、仕事は今ひとつ…。このようなリーダーシップの課題は現代でもよく起こります。

1960年台後半、日本の社会心理学者、三隅二不二(みすみじゅうじ)が提唱した「PM理論」は、パフォーマンスとメンテナンスの頭文字を使ったもの。リーダーシップは「目標達成能力」と「集団維持能力」、これら2つの要素で構成されるという理論です。

目標の設定や計画の立案、メンバーへの適切な指示などによって目標を達成する能力。
メンバー間の人間関係を良好に保ち、集団的まとまりを維持する能力。
「PM理論」では、2つの能力がともに高い状態のリーダーシップが望ましく、ともに低い場合はリーダー力が低いという判断につながります。

今回ご紹介した3つの理論は、タイプ分けの名称こそ違いますが、「物事」もしくは「人」へのリーダーシップを定義しているように思います。

ここまで読んで「もちろん、両方あったほうがいいよね」と思った方は多いと思います。しかし現実はどうでしょうか?

心理学的に言うと、人間は同時に2つのことに集中できません。さらに心理的な得意不得意からも、どちらかのリーダーシップに傾注することが多くなります。
そして自身の得意に集中する方が、良いパフォーマンスを発揮するのも事実なのです。自分に合う方から、一つひとつを順序良く高めていくと良いと思います。

当社のリーダーシップ講座で利用している「ルミナ心理学」のリーダーモデルは4タイプあります。

人それぞれの思考の癖と得意なリーダーモデルはリンクします。まずは自分らしく強みを活かせるリーダースタイルを知り、良い状態で使えるように習得してから、+アルファの領域を加えていくことをお勧めしています。

人が生き生きと働くためには、自分にしかできないこと、自分だからできることを理解し、強みを自然体で発揮する、その力を身につけることではないでしょうか 。

前回コラム「リーダーシップ理論における「特性理論」とは」

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