Q&A

どんな鍼を使用するのか?

私が使う鍼は、鍼作りの職人の方に、私の師匠から受け継いだ鍼の仕様で特別注文で製作していただいています。素材は、伝統的な鍼の場合、一般的には銀製が多いようですが、銀製は鍼の側面がザラザラしていて、鍼の抜き差しの時に、患者さんは引き連れるような感覚があり、患者さんにとって不快なことがあります。このステンレス製の鍼は、一般のステンレス製の鍼よりも凄く柔らかく、側面もザラザラとはしておらず、銀とステンレスの良いところをとったような鍼です。また、鍼の先端は一般の鍼よりも丸みがあり、鋭利に刺さらないので、技術は必要ですが患者さんにとっては負担の少ない鍼であるといえます。

長さは、1寸5分(4.5cm)と2寸(6cm)、太さは1番〜10番となり、直径0.16mm〜0.34mmとなります。太さは主に使うのは直径0.2mm前後のものであり、ヒトの髪の毛の直径が0.16mmぐらいと言われているので大きな差はありません。ちなみに、皮下注射用の針の直径は、0.5mmと言われていますので鍼治療の鍼の太さの倍以上の太さと言えると思います。

特注の鍼ですので、一回の使用で廃棄することはありません。使用した鍼は、その患者さん専用の鍼として保管し、決して他の患者さんに使用することはありません。使用前、使用後には消毒をいたします。鍼の耐久性は使用頻度とその患者さんの硬結の状態によって消耗度合いが異なりますが、治療前後に消毒を行いながら鍼のチェックを行い、必要であれば新品のものと交換しています。

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灸はしないのか?

私の流派では、灸はあくまでも補助的なものであるとされ、灸は軽い表面の病に対してするもので、重い病には鍼でなければ治せないとされています。私は灸を使って治療してみた時期もありましたが、効果がはっきりとはせず、灸に費やす時間があれば、鍼に時間をかけたほうが効果が高いと判断しています。

屋号を「鍼 神尾」としているのも鍼の奥深い世界を追求し、鍼一本一本に心を込めたい気持を表しました。もちろん、患者さんご自身で灸をご自宅でされることは大いに結構なことだと思います。

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鍼治療を受けて痛かったり、出血することはないのか?

鍼治療を受けたことのない方にとっては、鍼状のものとしては、裁縫の針や注射針、歯科医院の麻酔の針などをイメージされることが多いかと思います。確かに、そのような針は痛いし、出血することが多いし、良いイメージはないかと思います。
鍼治療の鍼の場合、上記の針の痛みとは異なり、痛みと気持ち良いの間の感覚という言い方ができるかと思います。ただ、この痛みというのは、針の痛みとは異なり、効いている感覚というか、鍼独特の響いている感覚といえると思います。

傾向としては、体の状態が悪い方ほど、響き方がキツめにでることがあり、体の状態が良い方ほど気持ち良く感じるように思えます。ただ、響きがキツく感じる方でも、治療を続けていく内にキツさがなくなってきて、気持ち良いよりの感覚に変化してくることがほとんどです。鍼の気持ち良さは独特で、鍼でしか味わえないもので、何時間でもやっていてほしい、という方もいらっしゃいます。

鍼をして出血が起きることはほとんどありません。あるとすると、体内に澱んでいる汚れた血液である瘀血(おけつ)に鍼が当たって、それが体外に出る時です。瘀血を体外に出すことは治療の一つの目標であり、瘀血を出すことで体の中の滞りを解消することにつながるわけですから、瘀血を出し切ることはとても良いことです。その時に痛みは特にありません。

いわゆる、包丁で指先を切ったような場合というのは、血管を切ってしまい血管の中の血液が体外に出ている状態です。鍼の瘀血は血管の外に漂う何らかの原因で静脈に入って回収されない血液です。違いとしては、血管の中の血液と血管の外で漂う血液といえます。従って、指先を包丁で切ると傷が深いほどなかなか出血が止まりませんが、鍼の瘀血の出血はごく少量で、すぐに止まります。

注射の針と鍼灸の鍼の違いは、用いる漢字も異なりますが、注射の針は中に薬剤という液体が通りますので、鍼灸の鍼とは太さが全く異なります。それと、鍼の先が鍼灸の鍼は丸みがあり、鍼の先が血管に当たったとしても血管に刺りにくく、血管が鍼を避けてくれるといわれています。注射針は静脈を破って薬剤を血流に乗せなければならないので、注射針の針の先は非常に鋭利に尖っています。

そもそも、鍼治療には数千年の歴史がありますが、鍼治療で鍼をする度に、いちいち痛いだけで出血していたり、といったことであれば、数千年の内に民衆から支持されず消滅されていたのではないでしょうか。

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治療期間について

鍼治療をどのぐらいの期間をかけて、治療に取り組んでいけばよいか、についてです。
特に初めて鍼治療を受ける患者さんとしては、「何回通えば治りますか?」と聞きたくなる心情はよくわかります。

答えにはならないかもしれませんが、それは治療を進めていくに従って、つかめてくることであり、患者さんご自身にも感覚的にわかってくることかと思います。

治療を始める前に、「○回で治ります。」「全治○週間です。」といったことは鍼治療の場合、言いきることはできません。なぜなら、単に症状がなくなるといったことだけでなく、本当の意味での根本の治癒を実現するには、患者さんの体質などにより個人差が大きくあるからです。治療に要する時間は、患者さんの心身のダメージの深さによっても異なるのだと思います。

また、長い期間かけて形作られた疾患を快方に向かわせるには、それなりの時間が必要となります。病気治し、体調を整えるということは、患者さんご自身の持つ生命力、治癒力によって体は快方に向かうという考えが、鍼治療の根底にあります。鍼治療はそのためのきっかけであり、それは強力なきっかけとなりえる可能性を秘めていると思います。鍼治療は血液循環、気の流れ、神経の流れといった体内の様々な循環を活発にすることで、結果、患者さんご自身の持つ生命力、治癒力を高め、病を必要としない体に変えていくことが目標となります。そう考えても、患者さんご自身の体内の環境が整い、循環が高まり、治癒力が発揮され、問題が解決されるまでには、時間がどうしても必要であるといえます。

もちろん、治療させていただく私としては、患者さんには一日も早く良くなっていただきたいという想いで治療させたいだきます。例えば、1年かけて悪くしたものを1年かけて完治させる、というのでは、治療の腕がある、とはいえないと思いますが、この1年をいかに短期間にできるかが鍼灸師としての実力が問われることになります。

また、例えば、鍼治療を始めてから3ヶ月で完治した場合、初診から3ヶ月経った時に、突然完治する、といったことではありません。その3ヶ月の間に、様々な変化があり、症状の出かたにも波があったり、体の状態も上下を繰り返しながらも、患者さんご自身が体が整い、症状がとれてくる感覚を実感することができます。

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治療間隔(頻度)について

治療開始時は週1回以上

治療間隔ということを考えるにあたっては、鍼治療開始時は最低週に1回をおすすめしています。

鍼治療は治療を受けた直後から効果を感じていただけることが多いですが、鍼治療直後から体が変化し、それが治まるのが3日後~1週間とされます。2回目の治療は3日後~1週間後となります。従って、週に1~2回からスタートとなります。基本は週1回からはじめ、週2回の方はご本人が週2回を希望されることが多く、体がそう要求しているようにみえます。

患者さんの様子をみていて言えることは、治療期間がある程度かかったとしても、週1回以上で継続されている患者さんは、体に変化が出てきて、それが積み重なって、患者さんご本人もそれを実感しながら、治療に取り組んでいかれている方が多いということです。

治療スタート時から、隔週に1回、1ヶ月に1回、といった患者さんの場合、治療効果を積み重ねていくことができないため、毎回が初診時とほぼ同じ状態に戻ってしまい、なかなか完治に向う階段を駆け上がっていくことができません。患者さんご本人は、鍼を受けると体が軽くなり、楽になったりとするので、隔週に1回でも月に1回でも鍼治療を希望されるのかもしれませんが、そのペースですと、なかなか結果を出すことは難しいです。

体の治り方

治療を続けていく内に、体調に変化が現れ、症状に改善がみられていきますが、右肩上がりに一直線で完治まで辿りつけることはまずありません。

体の状態には波があり、その波の上下が段々と全体的には上昇していくというのが、体の治り方だと思います。波が下がった時に、患者さんは鍼治療を続けているのに、なぜ体調の波が下がってしまうのだろう、と悩まれる方がいらっしゃいますが、下がることも次に上昇するために必要な過程であるといえます。

ある程度のスパンで、上昇しているかどうかを判断されたほうが良いと思います。

治療間隔の空け方

こうして、体の状態の波の上下を繰り返しながら、治療の間隔も様子をみながら調節していきます。

治療開始時の週1回以上の治療から、体の状態が上昇し、訴えていた症状がとれて来たタイミングで、隔週、3週間に1回、月に1回といったように治療間隔を空けていきます。

その過程においても、治療間隔を空けたことで、体調が下がるようでしたら、週1回に戻し、また様子をみるといったことも必要ですので、注意深く治療間隔を調節することも大切です。

最終的には、体のメンテナンスを兼ねて月に1回は鍼を受けておく、といった患者さんが多いように思えます。

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鍼灸はどこの鍼灸院でも同じ治療方法なのか?

鍼灸には流派があり、その数は数え切れないほどあります。また、同じ流派でも各鍼灸師によって治療方法には違いがあるといえます。
鍼灸は東洋医学の一つの治療法ですが、東洋医学は東洋哲学がベースとなっている医学です。全体を診る、バランスをとるといった東洋医学の基本的な考え方は東洋哲学に基づいています。その点では、どの流派にも共通しています。

しかし、実際の治療方法は、鍼しか用いない場合もあれば、灸しか用いない流派もありますし、体の深部を重視するやり方もあれば、体の皮膚面を重視するようなやり方もあります。また、同じ流派でも各鍼灸師の経験や感覚などに差異があるために、治療効果はその鍼灸師個人の能力に大きく左右されると思います。

登山に例えると、目指す山の頂上は一緒でもその登るルートや登り方が異なるといったことがいえるかと思います。

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住所 : 東京都豊島区高田1-40-10 グランヴァン目白ヒルズ801 [地図]
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