コラム

 公開日: 2015-04-02  最終更新日: 2016-07-06

治療例の紹介 腰椎椎間板ヘルニア

腰痛を伴う疾患としては、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎分離症、ぎっくり腰、腰部脊柱管狭窄症などがあります。その中で今回は、腰椎椎間板ヘルニアの症例として以下をご紹介させていただきます。

治療のポイントは、腰部で最も負荷のかかる腰椎4番、5番と骨盤の中央部にある仙骨周辺の深部の硬さをいかにして緩めるかということになります。

性別

男性

年齢

40歳代

主訴症状(最もつらい症状)

腰椎椎間板ヘルニア

随伴症状(主訴以外の症状・体質)

眠りが浅い、下痢、冷え性、めまい、アドピー性皮膚炎、疲れやすい、肩こり、むくみ

診察(初診時)

小学5年生の時に腰椎を痛め、腰椎分離症と診断される。20代に腰部椎間板ヘルニアと診断される。6月28日に腰部に激痛が走り、立てなくなる。その後、今日(7月10日)まで休業し自宅で安静にしていた。

今日の症状としては、腰部の痛みは激痛ではないが、はっきりとあり、右臀部~右足の母指と示指の間にかけて、坐骨神経痛があり、恐る恐る歩くようで、長距離の歩行は困難。長時間、座ったままだと、右臀部~右足の指にかけて坐骨神経痛がはっきりと現われる。

2年前に1年間に2度、自動車追突事故に遭い、首を痛めた。去年の年末に首と腰に激しい痛みが現われ、立てなくなった。それ以来、骨盤と腰部が右へズレるような感覚がある時に、激しい痛みに襲われる。左右の足首の捻挫の経験あり。

治療内容

頚椎、肩部、肩甲骨内縁、腰部は腰椎2~5、仙骨部分、臀部に鍼を念入りに行い、とにかく硬さを少しずつ緩めることが第一に思える。腰椎周辺、仙骨周辺、臀部をできる限り緩ませることができれば坐骨神経痛も徐々にとれてくると予想できる。長期に渡って患ってきたこともあり、症状も強いが、腰部が緩みだせば、骨盤の関節や腰椎が自然と動き始め、腰痛、坐骨神経痛はもとより、腰部と関係が深い下痢、冷え性、むくみといった症状の改善・解消も期待できる。

経過

初診 7月10日
腰部の鍼は、非常に入りにくいが、本人は臀部と下肢にかけて響きがでやすく、鍼の効きは良い。鍼の響きは右臀部~右足の母指と示指の間にかけてあり、これは本人の症状である坐骨神経痛と同じ走行であることから、治療の効果は期待できる。
ご本人は、治療直後に右足がかなり軽く感じたが、臀部~右下肢にかけての坐骨神経痛はとれない。治療の翌日は、腰痛はあるが、肩の緊張がとれていて呼吸が楽にできていると報告を受けた。

第2回目 7月17日
ご本人は、先週よりも動けるし、下肢の坐骨神経痛も軽くなってきたが、座り続けたり、階段の登りや立ちっぱなしの時に腰がつらい。痛み止めの薬剤は忘れて服用しない日もあった。前回の治療後、呼吸が楽な状態は続いていて、黄色い痰がかなり出た。
首が耳の高さから肩にかけて緩んできている。鍼は、腰椎2~3、4~5を中心に時間をかける。響きは良い形で出ているので、直に効果が出てくるように思える。

第3回目 7月25日
ご本人としては、腰部の痛みが取れてきていて、坐骨神経痛も意識がないほどになってきた。歩く距離が長いと腰がつらくなってくる。前回の治療後、咽頭部の浮腫みがとれてきて、呼吸がさらに楽になってきたとのこと。
腰部の鍼はだいぶ入りやすくなってきていて、腰部全体が緩んできたように思える。硬結に当たる手前で鍼が引っかかる感触があるが、そこを突破するとしっかりとした当たりがある。響きはしっかりとあり、効果が感じられる。

第4回目 8月21日
坐骨神経痛が左右の臀部から大腿の内側にかけて走る。
1ヶ月ぶりの治療となり、また坐骨神経痛が再発したが、今回の坐骨神経痛の出かたは今までと異なる。前回までの3回の治療でだいぶ腰部が緩んできてはいたが、核心部には硬さがあり、この硬さが完全にとれるまでは、痛みを発したり治まったりが続きそう。治療は腰椎2~5番、臀部にかけてを中心としながらも、肩部、背部の硬さをとることも意識した。

第5~8回目
痛みを感じてきたり、これ以上、痛みが悪化してくると坐骨神経痛が出そうになると来院される。不定期な来院で、症状が軽くなると来なくなることから、根本的に良くなるまで治療を受けていただくことができない。

治療間隔(頻度)

最初の3ヶ月間は週1回、その後は月1回。

考察

10代から腰部にまつわる症状があり、頸部など長年かけて壊してきている体に思え、特に腰の硬さには根深いものがあります。ご本人は職業柄、忙しく、生活も不規則になりやすく、なかなか鍼治療を継続することができません。腰がつらくなって、これ以上、悪化すると仕事ができなくなりそうになってきた時に、治療にかけ込むことが続いています。鍼に対する反応が非常に良く、効きやすいタイプなだけに、もったいなく思います。

長期にかけて悪くしたものほど、治療にも時間はかかります。この患者さんのように鍼を受ければ楽になり、動けるようにはなる。しかし、治療を集中して行なって、ある程度、体の状態が上向いて安定してくるまで治療をやりきらないと、また症状が再発し、その繰り返しに思えます。ある程度、良い状態になるまで治療を行えば、あとはメンテナンスとして、1ヶ月~2ヶ月に1度ぐらいのペースで、良い状態が保てるように思えます。
腰椎椎間板ヘルニア

この記事を書いたプロ

鍼灸院 鍼 神尾(はり かんお) [ホームページ]

はり師 神尾理

東京都豊島区高田1-40-10 グランヴァン目白ヒルズ801 [地図]
TEL:03-6907-3250

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
治療案内・ご予約方法

治療についての詳細は、当院HP「治療について」をご覧下さい。「鍼はなぜ効くのか」ページ「実際にはどのように治療するのか」ページ「鍼は何病に効くのか」ペ...

Q&A

私が使う鍼は、鍼作りの職人の方に、私の師匠から受け継いだ鍼の仕様で特別注文で製作していただいています。素材は、伝統的な鍼の場合、一般的には銀製が多いようです...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
鍼灸院 鍼 神尾(はり かんお)の神尾理さん

はりで体の深いところをほぐすと、その人自身が持つ力が発揮できる(1/3)

 地下鉄東京メトロ副都心線、雑司が谷駅から徒歩4分。落ち着いた街並みの中にあるマンションの一角に、鍼 神尾(はり かんお)はあります。院長の神尾理さんは若い頃、腰痛をきっかけに寝たきり状態になったこと、また、母がすい臓がんを患ったことから、...

神尾理プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

伝統的なはり技法で体の滞りを解消して病の根治を目指す

屋号 : 鍼灸院 鍼 神尾(はり かんお)
住所 : 東京都豊島区高田1-40-10 グランヴァン目白ヒルズ801 [地図]
TEL : 03-6907-3250

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-6907-3250

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

神尾理(かんおおさむ)

鍼灸院 鍼 神尾(はり かんお)

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

先のことを思うと途方に暮れる日々でした…

≪治療や治療院に関するご感想、治療効果、来院までの経緯、今...

N.W
  • 30代/女性 
  • 参考になった数(1

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
マイベストプロサイトでの掲載の終了のお知らせ

今月で、マイベストプロサイトへの掲載を終了することになりました。今まで、コラム記事などを御覧いただいた...

[ お知らせ ]

ツボの紹介 第5回 「脾兪」「胃兪」
イメージ

今回のコラムがツボの紹介としては、第5回となります。ツボについては以下のコラムをご覧いただけたらと思います。...

[ ツボの紹介 ]

治療例の紹介 通風
イメージ

通風の痛みは、足の指の付け根などに嫌な神経痛が最初にあり、場合によってはかなり痛みも強いようです。そんな通...

[ 通風 ]

ツボの紹介 第4回 「心兪」
イメージ

今回のコラムがツボの紹介としては、第4回となります。ツボについては以下のコラムをご覧いただけたらと思います。...

[ ツボの紹介 ]

背部兪穴とは ~腰背部に並ぶ臓器を癒すツボ~
イメージ

背中や腰には、「~兪(ゆ)」といったツボがあります。このようなツボのことを「背部兪穴(はいぶゆけつ)」とい...

[ ツボの紹介 ]

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ