コラム

 公開日: 2014-11-26  最終更新日: 2015-10-27

東洋医学の1ページ目

私が鍼灸学校に入学して最初に開いた東洋医学の入門書の1ページ目にこう書かれていたことを覚えています。

「人体は小宇宙である。」

これには幾つもの深い意味が含まれているのだと思いますが、私なりに以下のように感じるものがありました。

人間には宇宙の全てを理解することができないように、人体も全てを理解できるものではない。従って、人体を理解しようと試みる者は、その全てを理解できないことを心に刻んで、謙虚な心で探求しなさい、と私は感じました。

その後、私は鍼治療の道を歩んできて治療の経験を積めば積むほど、この謙虚さは最も大切なことの一つに思えてなりません。なぜなら、謙虚さがなければ、鍼灸師の一人よがりな治療になり、患者さんのための治療ではなくなるからです。

鍼治療とは「対話」である、といわれます。患者さんが感じる鍼の感触、私が感じる私の手や鍼から伝わってくる感触、また、患者さんの訴え、ご希望や、それに応えたいと思う私の気持ち、そういった患者さんと私との間で繰り返される様々な「対話」があります。

この「対話」は鍼灸師の一人よがりな自己満足では実現できません。鍼治療に対して、私はいつでも謙虚に、真摯に取り組むように努めています。

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