コラム

 公開日: 2012-05-12 

厚生年金基金の運用が連合会に一任・・・今日の日経から


厚労省はAIJ問題を受け、中小の厚生年金基金の運用を企業年金連合会に一任する方針のようです

AIJ問題で明らかになったことのひとつに、「年金担当者自身が資産運用の知識がなかった」というなんとも切ない問題がありました

専門知識がない人たちが、基金に加入している多くの会社員の老後資金を預かって運用して、失敗したらそのつけはすべて加入者に降りかかるのですから、泣くに泣けないというか・・・

単独の中小の厚生年金基金に、それなりの担当者がおけないのであれば、企業年金連合会であれば大丈夫だろう、というのが厚労省の考えなんでしょうね


企業年金連合会の担当者の方はきっと専門性の高い、能力がある方なのでしょう
AIJみたいな「怪しい」運用先に全資産を集中投資なんて馬鹿なことは、今後おきないでしょう


でも、組織が大きくなればなるほど、意思決定は安全を期して行われるようになるでしょうから、できるだけ安全資金、日本の債券であったり、の資産配分がおのずと強くなり、そもそも規約で決めた予定利率にまたかけ離れた運用成績になるのではないのかという心配は残ります

中小の厚生年金基金の予定利率は、いまだに5.5%というところもあると言います
ここをなんとかしなければ、だれが運用しても「永続的に」5.5%以上の収益を上げ続けるなんて無理なんじゃないでしょうか?


でも、この予定利率そう簡単に下げられないんですよね
だって加入者の権利ですから、運営者の都合で上げたり下げたりできるものじゃありません

すでに企業年金を受給している方からすると生活費の減額ですしね、場合によっては死活問題です
それに厚生年金基金からの支給額って、在職老齢年金の対象にならないですもんね
給与をもらいながら60歳以降はたらく場合、カットの対象とならないお金があるのは、やっぱり有利です

そういうこと、あれやこれや考えると、厚生年金基金の将来債務の問題、そう簡単に解決しないでしょうね
そもそもの積立不足が解決しなければ、脱退したくともその埋め合わせをしてからじゃないと脱退もできない
企業が厚生年金基金から脱退する条件は、従業員一人につき手切れ金100万円とか・・・
もしこれが本当だとすれば、100人の従業員が加入している基金から脱退しようと思うと1億円のキャッシュアウト

今厚生年金基金をやめようか、どうしようか悩んでいらっしゃる企業経営者、担当者さんは、多いと思うけれど、このお金をどうするか悩ましいでしょうね
この手切れ金も本当にその会社が負担すべき積立不足なのかどうかも怪しいものだし、もしかしたら負債額がそれ以上に大きければ、残った企業が既に脱退した会社の負債額までも負担することになり、それならいっそ1億円払っても身軽になったほうが、ひょっとしたら楽なのかもしれない・・
あるいは、いっそのこと、計画倒産しちゃおうか・・・

あるかもしれないストーリーです


つくづく厚生年金基金は、昭和の輝かしかった高度成長期の負の遺産だな~と思いますね

これからの企業の将来を考えると、積立不足という致命的なリスクを負う確定給付型の企業年金は、選択肢としてありえないでしょう

痛みを伴うことかもしれませんが、ここは決断の時期なのでしょうね
将来債務が発生しない企業年金、確定拠出年金しか、ないんですよね

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