コラム

 公開日: 2012-05-10 

企業年金積立不足は負債計上

5月9日付日経新聞朝刊

新会計基準導入により、14年からは企業年金の積み立て不足を即時計上し、その分自己資本を減額して貸借対照表に反映させることが正式になりそうとか

この意味はなにか?

つまり企業年金の積み立て不足があると、企業の決算が悪くなるということです
上場企業、上場を目指している企業、いかがですか?
自社の本来の業務とはまったく違うところで、バランスシートが悪くなる・・・受け入れられますか?

バランスシートは会社の健康診断のようなものですから、ここが悪化するとありとあらゆるところにネガティブな要素が広がるでしょう

では、積立不足が発生するのは、そもそも何が原因でしょう?

答えは簡単です、確定給付型の年金制度があるから

確定給付型とは、将来の従業員に対する給付額をあらかじめ決定し、ある程度の運用利回りを加味した金額を企業が拠出する仕組み
代表的なものとして、厚生年金基金とか、確定給付年金とかがあります

厚生年金基金は、AIJ問題のところでこのコラムでもご紹介したとおり、そもそもの運用利回りは5.5%で設定されていました
最近は規約の改定等で下げたり、確定給付年金制度に移行し、利回りを下げたりしているところが多いですが、それでも固定された利回りは、運用がうまく行かないときに含み損(つまり積立不足)が発生します

最近の確定給付年金制度の想定される運用利回りは、だいたい1.5%~2%程度のところが多いかと思います
この利回りを目標に年金資金を運用していくわけですが、実際は相当な数の会社が積立不足を抱えているといわれています

聞くところによると、保険会社等が提供する年金用の元本保証型の運用商品の利回りは1~1.2%がせいぜいだとか

予定利率を1.5%としている会社は、元本保証商品で運用すると恒常的に0.5%から0.3%のマイナスが発生するわけです
つまり確定給付年金を導入している会社は、恒常的にこの分のマイナスを決算時にバランスシートに計上しなくてはならないということです


では、積立不足が発生しない企業年金はないのでしょうか?

あります、それが確定拠出年金です

確定拠出年金は毎月の「拠出額」のみ確定ですから、その金額が損金計上されそこですべての会計処理が終了します
将来に負債をもちこすことは一切ありません


企業年金のコンサルをしていると、特に選択制という従業員の給与から将来の積立を推奨するスキームを紹介していると、「企業年金たるもの、企業が責任をもって最後まで社員の生活を守るべきだ!!」という風に怒られることもままあります

正直、私も昭和の時代のような企業年金、従業員の入社から定年退職までの雇用と生活を守り、退職後の生活も死ぬまで面倒をみる、そんな制度が維持できるのなら、それが最も望ましいと思っています


しかし、それって平成の今、メイクセンスでしょうか?

確定給付年金は年金支給時もその予定利率が適用されます
60歳で定年を迎えれば、その方が亡くなるまでその利率で運用し、年金を支給し続けなければなりません

仮に100歳まで長生きすれば終身年金であれば40年の支給期間です

下手をすると従業員の雇用期間よりも長くなる可能性がある年金支給期間
ひょっとすると企業の存続期間だって、それほど長いかどうかわからない

そんななか、理想を言っていてもしょうがないのではないでしょうか?


新会計基準は正直です
古い体質の企業年金をいつまでも維持していると、経営体質が弱まっていると判断されてしまいます


確定給付年金を導入している会社と確定拠出年金を導入している会社があれば、決算書は後者の方がよく見える可能性が高いのです

企業として何を選ぶべきか、答えは見えてくるのではないでしょうか?

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