コラム

 公開日: 2017-07-30 

不動産の相続で失敗しないために今からしておくべきこと

●2015年に相続税の控除額が4割も減ったために、相続税を納める人が増えました。
これをビジネスチャンスととらえる金融機関や不動産会社、士業の方々の中に、急に相続専門家が増えました。
例えば、税理士さんのほとんどは企業会計、つまり法人税を得意としていて、今までは相続税の申告はほとんどしてこなかった方が多いのです。
ところが、このチャンスに相続税に強い税理士を打ち出して、ホームページなどにも載せて集客をしています。しかし、相続税つまり資産税については、法人税とは違った専門性が必要です。
資産税をずっとやってきた税理士さんかどうかは、外観からはわかりませんし、少ないので探しにくいのです。
巷にはいろいろな情報があふれています。

まず現状を知っておくことが大切です。
1.税制改正により納税義務者が2倍になりました
   2015年以降基礎控除額が4割も減ったことにより、相続税を払う人が増えました。
   2014年では全国平均4.4%となっていました。23区内では10%程度でした。
   それが2015年以降は10%、23区内では25%に上がったと言われています。 
2.急激に増えた相続事業承継ビジネス 
   今まで法人会計しかやってこなかった税理士さんが、突然相続税の専門家になっています。
   不動産屋が不動産コンサルタントと称して相続の発生しそうな家のリストをまわしています。
3.銀行の無料セミナーは提案型営業です
   金融機関やハウスメーカーが開催する相続セミナーは、皆さんに相続に関する情報を与えるのが目的ではなく、
   借金をしたり、アパートを建てたりすると相続資産を圧縮できますよという話にもっていって自社の製品の購入やローン
   の契約につなげるのが目的です。その対策はのちに禍根を残すかもしれません。

今、インターネットを検索すると相続対策の無料セミナーが沢山あります。
銀行やハウスメーカー、投資用マンション販売会社が主催するものは、参加費が無料の上、無料の個別面談で相談が出来ます。
それでは、主催する企業は社会のためにボランティアで、皆さんに情報発信をしているのでしょうか。もちろん違いますよね。



●銀行は借り入れにより資産を圧縮することで相続税が安くなりますと言います。
正しいことを言っていますが、ローンを売りたいのです。
先々ローンの返済が出来なくなるかもしれないなんてことは一切考えません。十分な担保を取っていますので、それを売ってしまえばいいのですから。
●ハウスメーカーは、土地の上にアパートを建てると、貸家立て付け地として土地の評価額が下がるので相続税が安くなると言います。
正しいことを言っていますが、アパートを建てさせたいのです。
将来アパートが空室だらけになろうと、修繕費がかさむようになろうと売ってしまえばおしまいです。大家さんはローンの返済ができなきなりますが、それは銀行と大家さんの関係で、不動産会社は利益を確定していますから安心しています。
●投資用マンションの販売会社は家賃収入が、自前の年金になり、将来の生活が安定しますと言います。もちろんあなたの年金の心配をしてくれているわけではありません。マンションを売って手数料を稼ぎたいのです。
将来家賃が値下がりしたり、空室になってローンが返せなくなる。マンションが値下がりしてお金が必要な時に売れないかもという話はしません。

相続というのは大切な方を失うことでもあります。ご本人であれば大切な家族との辛い別れです。やり残したことへの後悔もあるかもしれません。
そんなことは先のことだと、今は考えないように、無意識に遠ざけている問題です。

でも、私はたくさんのお客様を見ていて、もっと早く相談していただけていたらと思うことが多くあります。3年あればかなりの対策が出来ます。
残されたご家族が大変な思いをすることなく、今まで通りの円満な家族でいられます。代々受け継いできた資産を失うようなことにもなりません。
いま、お客様の中に、自分の育った家を売って相続税を払い、相続してしまった雑多な不動産を整理すべく頑張っている方がいらっしゃいます。売れない土地や、古いアパートなどそのまま一人娘に残すのはしのびないとの思いから、資産を整理して相続しやすいものに置き換えています。これもお元気だからできることです。
相続で最も大切なのは財産をお持ちの方の希望です。そのために有効なのが公正証書遺言です。必ず作成してください。

自分の財産ですから自分の好きなように処分すればいいのです。
その中で、家族から異論が出そうな決定をしたい時は、事前に家族と相談して希望を伝えておくと、後々揉めなくて済みます。
特に不動産は羊羹みたいに上手に等分に切り分けられるものではありません。
いろいろな種類の資産を、一つ一つどうするか決めなければまりません。
精神的にも肉体的にもかなりの労力を要します。だからこそ気力のあるうちに決めておかないと、あとで希望通りにならなくなります。
もし認知症を発症してしまえば、その後は何の対策も出来なくなります。成年後見人が付くと、資産の整理は難しくなります。

ご自身の資産、あるいは親御さんの資産は、何がどのくらいあるのかご存知ですか?
不動産の相続するときには、税制上の色々な控除が使えます。これは、遺族が住む家を失ったり、事業が続けられなくなったりしないように配慮されているのです。
不動産というと、自宅、アパートをなどの収益物件、駐車場、農地、山林、別荘などいろいろありますね。
個人事業主の場合は事業用地もあります。
亡くなった方が生前住居用地としていた自宅の土地と事業に使っていた土地については、要件を満たせば8割減額されるので、なるべく使えるように要件を整えたいものです。こういうことも時間が有ればできます。
事業用地については他に色々要件があり、広さも200㎡、控除も5割といった条件になる土地もあります。しかし評価額が半額になるだけでも大きいですね。
その他にもいろいろ使える可能性のある控除がありますが、要件か細かく決まられているので、専門家に見てもらう方がいいでしょう。
専門家は費用もかかりますが、それ以上の節税額を導き出してくれる場合が多いので、是非利用をお勧めします。

一例として、私が提供しているサービスに、相続対策のシミュレーションがあります。
現在の資産を洗い出して、各種控除を適用し、相続税額を試算した結果をレポートにまとめています。もちろん税金の計算は税理士が行います。
そして、生前贈与や、どの資産を誰が相続するかなどにより適用される控除の違いなどを説明しています。
さらに、2次相続まで考えた遺産分割の仕方をシミュレーションしています。
ご利用いただいた方全員が、やって良かったと喜んでくださっています。



相続税の申告に経験が豊富な税理士さんかどうかで、納税額が大きく変わってしまうので注意が必要です。
いろいろな対策をして、自分の思いを実現し、資産を守るためには、遺産分割の仕方を細かく指定する必要があります。
自分の思いにかなう遺産分割がなされるためには遺言を書いておく必要があります。
その時に有効なのが公正証書遺言です。
不動産をお持ちの方は、元気なうちに分けやすい形に資産の組み換えをしてください。
共有名義の不動産はトラブルの元です。

この記事を書いたプロ

有限会社コスモスペース やさしいお金の相談室 [ホームページ]

ファイナンシャルプランナー 桑野恵子

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TEL:03-6908-3399

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