コラム

 公開日: 2016-01-27 

不動産売却を個人間で行う際の注意点

不動産業者と仲介契約を結んで、不動産を売却することが一般的です。
一方、不動産は不動産業者と仲介契約を結ばなくても、個人間で売買することもできます。
ここでは、不動産売却を個人間で行う際のメリットとデメリット、注意点を紹介します。

不動産売却における個人売買のメリットについて

マンションや一戸建て、土地などの不動産を売却する場合には、不動産業者と仲介契約を結ぶのが一般的ですが、個人間で売買することもできます。

個人間売買で不動産を売却するメリットは、売主も買主も不動産業者に仲介手数料を払わないで済み、安上がりなことです。仲介手数料は(物件価格の3%+6万円)×消費税を上限に支払うことになり、3,000万円の取引でも8%の消費税込みで約103.7万円になります。売主と買主双方が支払いますので、双方で約207万円が節約できます。夫婦や親族ならこれは払いたくないですね。

仲介手数料以外にも、夫婦や親族間、あるいは信用できる知人相手であれば、納得いくまで契約条件などを話し合って契約できるメリットもあります。

不動産売却における個人売買のデメリットについて

不動産売買も単なる契約ごとですから、宅建業者でなければ法律にも縛られず、売主と買主の間で口頭により「売ります」「買います」で不動産の売買契約が成立します。
パン屋さんでパンをくださいと言って、お金と引き換えにパンを受け取るのと何も違いません。「パンをください、はいどうぞ」で契約成立、お金と引き換えにパンを受け取って所有権の移転、売買の完了です。

しかし、不動産の売買は、高額な取引なのでやはり書面で契約書を交わしておく方が安心ですし、そのためには契約書に法的に不備がないかをチェックしなければなりません。
重要事項説明書という物件の説明書は宅建取引士でないと作成できませんが、個人間取引で、お互いが納得すればなくても大丈夫です。

住宅ローンを利用する際は、契約書のほかに重要事項説明書が必要な場合が多く、住宅ローンを組むのは難しいかと思います。現金の売買がほとんどです。

不動産の所有権移転登記も自分のものなら司法書士に頼まなくてもできますが、不備のないように書類をそろえるのは素人には難しいと思われます。

これだけの契約から支払いや引き渡しを不備なく行うには、アドバイスをしてくれる人が必要で、手間も時間もかかりますので、個人間売買はあまりおすすめしません。

不動産売却における個人売買の注意点について

個人売買で忘れてはいけないことは、瑕疵担保責任についてです。
瑕疵とはいわゆる欠陥で、売却したマンションや一戸建てに隠れた瑕疵があった場合、売主に補償の義務があります。

契約書に特約として記載しない限りは、民法の規定が適用されます。瑕疵を発見してから1年以内に申し出た場合、補償義務があり、発見したのが引き渡しから30年後だとしても同様です。
そこで、業者は特約で引き渡しから2年以内に発見した瑕疵のみ補償という文言を入れるのが通例です。
個人同士の不動産売買契約において、自由に取り決めができ、「売主は一切、瑕疵担保責任を負わない」という契約をすることもできます。

<例>
私がかかわった売却の実例ですが、お隣に売却して、お隣が不動産業者に頼まなかったという事例がありました。「昔からの知り合いの隣人の家を買うのに、何で何百万も手数料を払わなければいけないのか!」というお考えでした。

本来ならば、個人間売買のデメリットは買主の方が大きいので、買主が業者を通したがる場合が多いのです。売主はお金をもらってしまえば、所有権の移転登記もしなくて良いし、契約書に特約を入れれば瑕疵担保責任も負いません。後に起こることは買主がすべて負うことになります。
結局こちらは不動産業者に依頼しましたので、必要書類はすべて作成してもらいましたし、不動産業者はやむなく買い主にも必要書類など色々アドバイスをしていました。これを全て売主であるクライアントの支払う仲介手数料で賄ったのですから、買主はずいぶんお得でした。

こういうケースは多くないと思います。私も不動産業者も自分のクライアントの「お隣と揉めたくない」という意向を汲んで動いた結果です。もちろん、安心で円満な売買になりました。

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