コラム

 公開日: 2018-06-05 

海外赴任中の駐在妻に多い「うつ病」、夫婦でどう乗り越えるか

華やかに思われがちな駐在妻ですが、実際は孤独で文化や言葉の壁に悩みがちです。頼りの夫が不在気味でうつ症状となることも。夫婦の時間を持ち妻に感謝を伝えることが解決策です。深刻な場合は手遅れになる前にカウンセリングを。海外の場合、特にアメリカなどでは保険を使ってカウンセリングが安価で受けられますので、是非お勧めいたします。

心と体に表れる、うつ(不調)のサイン

羨望のまなざしで見られがちな、海外赴任の駐在妻。

確かに、国によってはプールが備えられた高級住宅に、運転手付きの車が用意されます。身の回りの家事全般もメイドがやってくれるとくれば、優雅な生活というのはあながち間違いではないでしょう。
日帰りでも気軽に異国の地で旅行を満喫でき、ゴルフやテニスも安く楽しめるでしょう。お金では買えない異文化体験や現地の人々との交流は、何にも代えがたいものです。

セレブな生活にあこがれる若い女性や、駐在員に世話をしてもらった人は、華やかな一面だけを目にして羨ましがります。
ですが、実際のところはどうでしょう。

日本とは違い、家に仕事の客人を招き入れるのこともあるので、住まいは広くて当然です。ゴルフやテニスが安いからといって、時間がなければ意味はありません。扱いの難しい現地採用のスタッフとの人間関係や出張者の対応に追われ、夫は家庭を顧みる余裕がないケースもよく耳にします。現地スタッフは定時で動いていても、駐在員は日本本社の時間に合わせて働かされることもしばしばです。

そうなると、夫についてやってきた妻はたった一人異国の地で過ごさなくてはなりません。海外に移り住むまで仕事をしていたなら、一気にやることもなくなり膨大な時間をもてあますことになります。もちろん友人もいないので、頼りになるのは日本人の奥様たちとなるでしょう。

狭い社会の中で奮闘しているうちに、なんだか調子がおかしいことに気付きます。夜眠れなくなり、体調がすぐれない…。本を読んでも内容が頭に入ってこない…。何をするにもやる気が出ないようならば要注意です。

海外赴任中にはうつ病になる人が一定数います。
他の病気と同じで、うつ病をはじめ精神疾患も早く治療を始めれば、早い回復が望めます。

ストレスの原因

駐在妻がストレスにさらされる原因は明らかです。

第一に挙げられるのが「夫の不在」です。
一番頼りにしたいはずの夫が仕事で多忙を極めていれば、相談したいことがあっても妻は我慢せざるを得ません。平日はともかく、休日もゴルフや出張者への対応に追われることも珍しくありません。夫婦でゆっくり話をする時間もなければ、妻は孤立するばかりです。

文化や言葉の壁も無視できません。
周りを全て現地スタッフに囲まれて職務を遂行しなければならない夫は、否が応でも言葉を使いこなさなければなりません。対して妻は、自分から能動的に習得しようとしなければいつまで経っても上達は見込めません。日本人同士のコミュニティの中に生活圏があればなおのことです。

仕事につきにくいことも、ストレスを生みます。
国内の転勤族妻でさえ、いつ辞めるか分からないことを理由に採用されにくい現状です。駐在妻ともなれば、さらに言葉やビザ、夫の会社の社内規定など乗り越えなければならないハードルが次から次へと立ちふさがります。

とりわけ、現地に住むまで日本でやりがいを感じて仕事をしていた人であれば、衝撃は大きくなります。自分の足で立っていたのに、海外に来てからは毎日することもなく夫の稼ぎで暮らすという現実は、受け入れがたいと感じる人も多いのです。

寂しさを埋めるために飛び込んだ、日本人妻のコミュニティも場合によってはストレスの温床となります。
海外日本人社会だけならばまだしも、デリケートな対応が求められる会社がらみの人間関係です。狭い村社会で、言いたいことも言えず、抜け出したくても半ば強制的に参加を義務付けられていることもあり厄介です。

夫婦で乗り越える方法

海外での生活は戸惑うことも辛いことも多いです。
それでも、あなたは1人ではありせん。

家庭の中に仕事が入り込んでくることで、夫の新たな一面を知り見直すきっかけにもなります。日本では見ることのなかった働く夫の姿を妻は身近で目にすることになります。接待では妻も夫と共に動き、夫の妻を見る目も変わります。本当に頼れるものはお互いしかいない異国の地です。仕事を通じて生活に根差した夫婦の結びつきを大切にすることです。

夫も仕事で忙しい状況であったとしても、夫婦で過ごす時間を意識的につくってください。
暇ができたら、という考え方ではいつまでたっても時間はできません。先にわずかな時間でも予定を立てて、妻とコミュニケーションをとることを心がけましょう。

妻がキャリアなど以前の生活をいったんオフにして、帯同に同意してくれたことを思い出しましょう。夫の「妻は納得してついてきたのだから」という態度は、一生懸命環境に順応しようとしている妻にとっては辛いものです。

現地での仕事も妻の助けがなければ立ち行かないはずです。言わなくても分かるという考えでは、妻は報われません。感謝の気持ちをしっかりと言葉にして伝えることが、良い関係を維持するのに最も大切なことでしょう。

専門家によるカウンセリング

ただし、個人の努力では改善できないほど身体症状が深刻ならば専門家を頼るべきです。
メンタルな部分の症状の相談は、英語などの外国語では説明しにくいものです。

可能であれば、日本人で海外赴任事情に詳しい専門家に依頼しカウンセリングを受けるのが得策です。最近ではスカイプやフェイスタイムと言った無料の電話サービスで、日本にいるカウンセラーからもカウンセリングが受けられます。

守秘義務があるので、相談内容がもれる心配もありません。手遅れになる前に、勇気を出してご相談になることをお勧めします。

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