コラム

 公開日: 2018-05-17 

国際結婚した人が離婚したいとき、離婚前にやっておくべきこと

国際結婚をしてみると、結婚前には分からなかった文化や言葉の壁が障害になることがあります。最終的に離婚を選ぶ際には、日本人同士の離婚とは異なるために気を付けなければならない事項があります。事前に把握しておきましょう。

国際離婚に多い理由

恋愛は非日常です。お互いの背景にある文化のちがいも交際中は魅力の一つにさえなります。勢いと若さに突き動かされるように結婚したとしても、そこはスタートです。

他人同士、加えて育ってきた環境風土がまるでちがうのが国際結婚です。
結婚という日常を送るなかで感じる小さな違和感がいつしか耐えがたいものになり、ついには離婚へと発展してしまいます。
主な原因としては次のようなものが挙げられます。

最大の理由が「価値観のちがい」です。
毎日の食事内容でも、どちらか片方が食べたいものも食べられず我慢し続けていてはいつか破綻します。仕事やお金に対する価値観にもお国柄が現れます。子どもができれば育児についてのスタンスも夫婦間でズレがあれば、後々大きな問題となるでしょう。

宗教の問題も是非結婚前に話し合うべき重要なことがらです。
お互いの持つ信仰が異なれば、子供をどちらの宗教に従って育てるかが大きな問題となります。日本人の多くは子育てと宗教を切り離す方が多いですが、外国の方にとって宗教は何をおいても大切という場合もしばしばです。

配偶者とは上手くやっていけても、義理の両親や親族とはどうでしょう。
配偶者が日本語を話せたとしても、国元の親たちは母国語しか話そうとしないかもしれません。相手の実家に行っても、1人だけろくにコミュニケーションが取れなければ疎外感を感じます。家族の結びつきが強いお国柄の相手と結婚したならば、より孤立感は高まることでしょう。

コミュニケーションの問題は夫婦間でも同様です。
簡単な日常生活のことならば多少意思の疎通がおぼつかなくても、何とかなります。しかし、将来のことや子どもの教育方針といった込み入った話をしようとすると、深いところで理解しあえないことが出てきます。一番分かって欲しい相手に、思いが本意ではないニュアンスで伝わってしまうのです。何度も続くようですと、次第に気持ちも離れていきます。

国際結婚をして日本を離れて異国で暮らすことを選んだなら、現地では日本人コミュニティに属することになります。日本人同士ではありますが、狭く閉じた人間関係はストレスになることも。また仕事に就こうと思っても、よほど専門的な知識や技術がないと、自立するほどの収入を得ることが難しい。異文化の中で第二言語を使ってキャリアを積むのはかなりの努力が必要ですし、経済的に自立するのはとても覚悟のいることです。

国際離婚の件数

一般的な傾向として、国際結婚では日本人同士の婚姻よりも離婚しやすい印象があります。
しかし、実際には国際離婚率は高くありません。

厚生労働省の平成28年度の人口動態調査によると、国際結婚の件数は4,028件で離婚件数は1,278件です。それに対して、日本人同士の婚姻は620,531件。離婚件数は216,798件となっています。

離婚率で比較すると、国際結婚で約32パーセント、日本人同士の結婚では約35パーセントです。結婚相手の国別で離婚率には大きな開きはありますが、概して国際結婚が破局する確率が高いというのは正しくありません。

国際結婚の場合はどうしても周囲の注目を集めやすいもの。特に異なる外見を持ったパートナーを配偶者に持った場合は、否応なしに目立ちます。周囲の人々の印象に強く残るため、離婚した際にも日本人カップルよりも話題になってしまうのでしょう。

離婚する前に考えておくべきこと(お金、財産、子供のこと、など) 

日本人と外国人が離婚する場合には、日本と相手国双方の法律に基づいて段取りを進めなければなりません。日本に居を構える夫婦には日本の法律が適用されます。外国にいる場合はその国の法律に従って手続きをします。

日本で結婚していたならば慰謝料や養育費、損害賠償の支払いが命じられることもあります。ただし、相手が本国に帰ってしまうと有効な請求をすることが困難になります。

財産分与についても同様です。婚姻期間中に夫婦で築いてきた財産を貢献の割合に応じて清算することです。対象となる財産とは、現金、預金、不動産、株、生命保険、退職金、債務です。外国人配偶者が母国へ帰れば請求が難しくなります。

子どもがいるならば、親権や教育費、面接交渉権をどうするか話し合う必要があります。子どもを奪い合いトラブルに発展しないように、相手国の法律を調べ在日・在外大使館で最新の情報を把握しておきましょう。子どものパスポートの状況も確認を忘れずに。

国際離婚を避けるために

離婚は最終手段です。
安易に離婚に踏み切る前に、もう一度配偶者と話し合いの場を持ちませんか。

カップルカウンセリングにおいてよく気づくことは、小さな意見の違いもしばしば文化の違いが起因しているということです。これはご本人達でもなかなか気づかない。ところが原因は「文化の違い」だと指摘し、対処法を話し合ううちに関係が改善されるケースは多くあります。

生まれも育ちもちがうのは、程度の差こそあれ日本人同士にもあることです。ちがう部分にばかり目を向けてお互いを非難するのではなく、それぞれの文化を理解し尊重するように努力を重ねること。

いっしょに暮らしているうちに、ついつい楽な方に流されがちです。
相手が日本に住んでいて日本語を話してくれるからと、自分からは何も学ばないまま。それでは相手の国や文化、言語についての理解は深まりません。お互いが相手の国や文化を積極的に知ろうという姿勢があれば、日常的におこる小さなトラブルにも対応していけるはずです。

相手のことを丸ごと知ろうとすれば、コミュニケーションはもっと密になります。甘い関係の時だけでなく、衝突したときにこそじっくりと向き合うこと。思いちがいがあれば、何とか伝える努力が必要です。

修復が可能な段階であれば、二人で乗り越えることで絆も深まります。
二人にとって最善な方法を探してください。

この記事を書いたプロ

インテグラルカウンセリングサービス [ホームページ]

心理カウンセラー 渡部典子

東京都中央区銀座5-6-12  みゆきビル bizcube 7F [地図]
TEL:03-5931-7179

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
インテグラルカウンセリングサービス渡部様プロフィール写真

アメリカで人気の「統合心理療法」で心の安定を図る(1/3)

 心理カウンセリングの先進国と言えばアメリカでしょう。そのアメリカで心理学の修士および博士の学位を取得し、現在日本で心理セラピストとして活躍しているのがインテグラルカウンセリング代表の渡部典子さんです。渡部さんは2016年にアメリカから日本...

渡部典子プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

米国で年1000件以上のカウンセリングを行った経験による心理療法

屋号 : インテグラルカウンセリングサービス
住所 : 東京都中央区銀座5-6-12  みゆきビル bizcube 7F [地図]
TEL : 03-5931-7179

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5931-7179

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

渡部典子(わたなべのりこ)

インテグラルカウンセリングサービス

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
国際結婚後の悩み(言葉・文化・育児・金銭問題)は誰に相談したらよいか

国際結婚には悩みがつきものです。親や友達に相談すれば、心配されるし噂も気になるところです。専門のカウンセラ...

[ 国際結婚の悩み ]

国際結婚がうまくいかないのは、本当に言葉や文化の違いが原因なのか?

国際結婚では、異文化の中でコミュニケーション不足になりやすいものです。日本人同士の結婚よりも経済的負担や...

[ 国際結婚の悩み ]

夫の定年後は離婚したいが生活が不安…熟年離婚のメリット・デメリット

熟年離婚が広く認知されるようになり、離婚のハードルは低くなりました。離婚したいと思っていても、現実的に生...

[ 定年後の生き方 ]

定年後の「居場所」をどうつくるか?満足のいくセカンドライフの送り方

定年を迎え、のんびりできるのもしばらくの間だけ。仕事がなくなると行き場もなく、家庭でも邪険にされ居場所が欲...

[ 定年後の生き方 ]

夫が定年してから妻の具合が悪くなったら…原因はストレスかも?

定年後、夫が家にいるようになってから妻が体調不良を訴えるようになった。これはストレスが原因かもしれません...

[ 定年後の生き方 ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ