コラム

 公開日: 2018-02-23 

賃貸管理会社から見たシェアハウス投資の問題点

最近ニュースとなった話題のシェアハウス投資。

5年くらい前からシェアハウスが投資商品として市場に出回るようになり

現在でも中小の業者が中心になって販売しています。

この中小の業者さんのほとんどが創業数年の会社。

一気に業績を伸ばした会社もありあす。

例えば、もともと大手投資マンション会社出身の営業マンが独立して、そこへ仲間が合流するケースもあります。

もともと営業マン各々に顧客がいるので、そのお客さんにシェアハウスを売りつける手法が目立ちます。


弊社にも仲介業者さんから販売用のシェアハウスの紹介がありましたが、弊社では扱いませんでした。

なぜなら想定賃料での利回りが高すぎるから。

弊社が管理会社という立ち位置で賃料相場を見てきているので、立地条件やグレードが分かれば実際はどのくらいの賃料で賃借人が付くかがかなり高い確度でわかります。

それにシェアハウス自体が商品として出始めたばかりで、自力でマンションを開発できない業者がみんな飛びついて売り始めたのも知っています。

シェアハウスは一般的な戸建てと同じように建築し、できるだけ部屋数を多く設計します。

建築としての敷居はとても低く、戸建てが建てれる場所ならどこでも建築可能。

用途地域や容積率がほとんど関係ないのでマンションとは比べ物のにならないくらい『商品』としていくらでも建築できます。

ここが一番の懸念材料(供給過剰)として弊社では扱わないと判断しました。(他にも理由はありますが。。。)



そして価格にも問題があります。

一般的には土地代+建築費+販売経費+利益=販売価格となります。

新築の戸建てであれば周辺でいくらくらいで販売されいるかちょっと調べれば分かるので相場がつかみやすいですよね。

でもシェアハウスとなると外見は同じでもまったく違う『商品』となるので比べるものがない。

ここが『ミソ』なんです。

シェアハウスと新築戸建てで違うものといえば

①部屋数

②水回り設備の数

③家電の数

④備え付けの家具

⑤工事のボリューム

ざっと上げるとこんなものでしょうかね。

部屋数や設備を増やすと大工さんの手間が増えます。

材料や配管工事、電気工事も増えます。

建具(ドア)の数が増えればその分コストが増えます。

新築住宅と比べて増えるのは家具や家電も含めたこうしたコストです。

その分価格が高くなるのは皆さんも理解できることだと思いますが、シェアハウス投資で問題なのがこの価格の決め方がそれだけでは無いということです。

それは 『賃料設定』 が価格に大きく影響しているということです。

金融機関は物件評価を出す際に、収益からの利回りを逆算して融資金額を決定する事が多いです。
(利回りだけじゃないですが)

販売会社もそうした金融機関の評価の仕方をわかっていますので、当初の賃料設定を高めにするわけです。

例えば地方銀行のスルガ銀行では、融資に際して物件販売価格の9割までという規定があります。

そして利回り基準があります。

もちろん銀行も想定利回りを鵜呑みにして融資はしません。

確定利回りが欲しいわけです。

ここをクリアする方法が 『家賃保証』 なんです。

販売会社が家賃を保証して収益を確定する。

その確定した収益を基準に融資金額を査定する。

こうした流れになります。

この 『家賃保証』 が融資金額に多大に影響するので、先にも書いたように賃料を高めに設定するわけです。

では賃料によって融資金額がどの程度変わるかというと・・・

●10部屋のシェアハウスで銀行の融資利回りを7.5%とした場合。

①設定賃料5万円のケース

50,000×10部屋×1年=600万円/年間

600万円÷融資利回り7.5%=8,000万円/融資額

②設定賃料と6万円のケース

60,000×10部屋×1年=720万円/年間

720万円÷融資利回り7.5%=9,600万円/融資額

その差はなんと1,600万円!

ケースは色々とありますが仕組みはこういうことです。

ちなみに上記の場合、借入金額は違いますが設定利回りが同じなのでどちらでも表面上の収支は回ります。

そもそもシェアハウスは物件の立地や設備のグレード等によって同じエリアでも賃料に開きがあるので、賃料相場自体が曖昧な商品です。

さすがにマンションと同等の賃料にはなりませんので限度がありますが、こうした曖昧な賃料相場が販売会社からすると狙い目となるわけです。

特にシェアハウスを購入するオーナーさんは既にワンルームマンションなどの投資用物件を所有している方が多く、その時の営業マンが転職してシェアハウスを売っているケースが目立ちます。

投資用マンションは月々の収支がマイナスでも節税効果等でマイナスが緩和できるので、不動産投資の入口としては入りやすい。

ただ節税効果は減価償却の影響が大きいので徐々に無くなっていきます。
大凡ですが所有して5年~8年程度の間に税金は戻らなくなる方が多いです。
 ※この間に複数所有すればもう少し伸びます。

税金が戻らなくなった方にとっては毎月の収支負担や固定資産税の負担も出てきますので、複数戸所有している方はかなりの負担になってきます。

そこで持ちかけられるシェアハウス投資。

「シェアハウスは毎月の収支がプラスで持てるので今所有しているマンションのマイナスが消えますよ」

「木造なので減価償却も早く、節税効果がまた期待出来るようになりますよ」

「購入と同時に家賃保証するのでリスクも低いですよ」

「将来は土地としても売れるので資産になりますよ」

こんな感じですね。

買う方もこうした営業マンからの話を信じて購入するわけです。

もともとの付き合いがある営業マンなら尚更信じます。

でもここで忘れてしまっていることがあります。

『賃料相場』です。

営業マンの説明に「毎月の収支はプラス」になるという説明があります。

それと、「購入時に家賃保証する」という話も。

この話、いつの時点かが明確じゃないんですよ。

立場でその感覚も違います。

営業マン・・・買った時点の話(又は数年の家賃保証期間内)

購入者・・・ずっと

そもそも家賃保証って数年に1度必ず見直しがあります。

その時に大幅に下がってたら困りますよね。

シェアハウスは設定賃料が崩れた時の破壊力が強烈なんです。

弊社で管理したお客様で実際に販売会社が早々に賃料保証をしてくれなくなったケースもありました。

それともう一つ大事なのが、

シェアハウス経営の前提が 『満室』 だったらということです。

家賃保証という言葉が頭に残ると、ここを忘れがちになります。

賃借人から見ると、シェアハウスは少額で入居しやすく、退去もしやすい。

しかし私が感じるのは、その分入居者の回転がはやいということです。

共同生活ですから、人によって合う合わないがあります。

1人でも問題がある方がいると、みんな退去してしまう事も有り得ます。

そうなると収支が回らなくなり、銀行の支払いが滞る。

これがシェアハウス投資の大きなリスクです。

販売業者も当初の家賃保証をしていたら自社の利益を食いつぶす事になるのでいつまでも高い賃料で保証を行うわけには行きません。

販売会社が家賃保証を続けるにはシェアハウスを建てて売り続けなければならない。

これが先日ニュースになった『自転車操業』となる理由です。

購入する際は、もし家賃保証が無くなった時にどうなか?

入居率が下がったらどうなのか?

シェアハウス投資にはこうした視点で収支を考える必要があるわけです。


おそらくこうした問題は今後ますます出てくるでしょう。

先日のニュースは氷山の一角。

お気を付けくださいね。

この記事を書いたプロ

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不動産投資アドバイザー 髙田大暉

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