コラム

 公開日: 2017-12-07  最終更新日: 2017-12-08

改元とIT-元号の変更によるITへの影響

先日、皇室会議にて天皇陛下の退位が2019年4月30日、皇太子さまの即位が2019年5月1日と決定されました。これに伴い、元号が平成から変わることになります。このニュースでざわついているのがIT業界だと言われています。西暦1999年から2000年に変わる際の、いわゆる「2000年問題」を思い出す方が多いようです。当時よりもITの利用範囲が拡大しているため、さらに大変な事態になると危惧する考えもあるようです。
結論から言えば、「直接的にはそれほど大きな影響はない」と考えられます。以下にその理由を確認したいと思います。

情報システムへの影響

先に上述した「2000年問題」の原因を確認しましょう。それは、現在の様にPCやスマートフォンが普及する前のITの世界ではメモリやディスクを節約するため、西暦を数字4桁ではなく下2桁で保持していたプログラムやデータベースが多かったからです。今の世代から見れば「何故」と思われるでしょうが、今ではメモリやディスクの単位はG(ギガ)やT(テラ)ですが、当時はK(キロ)やM(メガ)のレベルだったからです。(注:1G=1000M)そのため、2000年を迎えた瞬間、コンピュータは「2000年」ではなく「1900年」と認識し、誤作動を起こす可能性があったのです。
それでは、改元された時にどうなるのか。通常、日付情報は「2000年問題」で説明した通り、西暦で保持しており、画面表示やプリントする際に必要に応じて和暦変換する仕組みとなっています。そのため、元号が変わっても保存されている日付データの変更等の必要性は皆無です。また、和暦変換するプログラムも簡易な修正で対応可能です。作業量を左右するのはプログラムの作り方です。改元や消費税など、将来的に変更の可能性があるものは設定情報としてプログラムと分離してあれば、今後も問題が起こりにくいはずです。しかし、中にはプログラムに直接書き込まれている場合もあり(理由は様々ですが)、そのようなプログラムの修正作業は大変になります。
また、画面表示やプリントアウトについて、元号は原則漢字2文字であるため(奈良時代に漢字4文字のケースもあったようですが)、画面や印刷で文字が切れる事象は皆無でしょう。ただし、和暦をアルファベット1字で表示する場合、過去の元号(明治:M、大正:T、昭和:S、平成:T)と重複する可能性があるので、注意が必要です。(きちんと考慮されることを期待します)
いずれにしろ、まずはIT部門やSIベンダーに確認する必要があります。

購入したソフトやダウンロードしたアプリへの影響

量販店等で購入した箱入りのソフトウェアや、スマホやPCにダウンロードしたアプリの場合、製造元企業が作成した修正ソフトを適用すれば問題ありません。大半は自動更新されるので、気付かないうちに対応されていると考えます。
ただし、バージョンが古かったり、サポート期間が終了したソフトやアプリ、或いは製造元が倒産等で存在しない場合は修正ソフトが作成されません。その場合は、状況に応じて新たなソフトを選定、使用する必要があルカもしれません。

ホームページ等のコンテンツへの影響

影響が大きいのはホームページやSNS等で発信されているコンテンツの修正作業ではないでしょうか。影響がほとんどない場合はそのままでも構わないですが、企業ホームページであれば様々な将来の日付が掲載されているので、その全てに変更する必要があります。
・年間スケジュール
・新製品の販売開始や新サービスの運用開始
・懸賞やプレゼント等の応募期間

なお、今回の元号変更は新年に買い換えるカレンダーや手帳等を考慮し、2018年秋頃に発表される予定なので準備期間に余裕があると思います。また、改元前でも新元号を表記することに問題はないでしょう。むしろ、この機会に公開されているコンテンツの整理を行うのもいいのでは、と考えます。

元号変更に乗じた詐欺行為に注意

元号変更によるITそのものへの影響よりも憂慮すべきなのは、これに乗じた詐欺行為です。例えば
・今の機械は新元号に対応していないので買い換えなければいけません。
・新元号に対応するために新しい機器やソフトを購入する必要があります。
・新元号に対応しているかどうか、有償でチェックします。

あるいは、金融機関やクレジットカード会社から、以下のようなフィッシングメールが届くかもしれません。
・新元号に対応する銀行口座に変えるには、ここからログインしてください。
・クレジットカードが新元号に対応していません。カード番号とパスワードを入力してください。
・新元号に対応するためパスワードを変更する必要があります。現在のパスワードを入力してください。

上述の通り、元号変更にともなうITへの影響は皆無です。特に金融機関は数十年単位のローンや保険等があるので、元号変更は織り込み済みなはずです。よって、こうしたメールはまず詐欺メールだと考えられます。皆さんでも気をつけると同時に、身内の方にも周知していただければと思います。

上記に関して、ご関心、ご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
デルタエッジコンサルタントでは、こうした元号変更に伴う影響度調査や対応に関するコンサルティングサービスを提供します。
お問い合わせフォームは、こちらです。

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金子 清隆
URL  http://www.deltaedge.co.jp
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