コラム

 公開日: 2016-10-28 

マイナンバー制度と年末調整等

今年も残すところ2ヶ月という時期となりました。給与計算関連の業務担当者にとっては、年末調整、及び法定調書等の作成、提出といった作業が近づいて来たと感じる時期だと思います。ここで留意しなければならないのは、今年はマイナンバー制度が始まって初めての年末調整であることです。マイナンバーを記入しなければならない書類は様式が変更されており、例年に比べて事務負担は増加すると考えられます。また、マイナンバー制度の施行後も様々な制度変更が行われているので、昨年末に制度対応して以降見直しされていない場合は、実際の作業に入ったら混乱する可能性があります。負担増加や混乱を避けるためには、今年の変更点について理解した上で、早めに対策を行うことが重要だと考えます。年末調整から法定調書等の作成にあたってのポイントを確認します。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書とマイナンバー

年末調整の際に従業員から収集する給与所得者の扶養控除等(異動)申告書にマイナンバーを記載する欄が追加されたため、この書類によってマイナンバーを収集する事業所も多いと思います。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書によるマイナンバー収集は昨年の年末調整時でも実施した事業所も多いですが、その時点で全従業員のマイナンバーが収集されたかどうかは改めて確認する必要があります。その理由として、以下が考えられます。

・2016年1月1日より前に提出された給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、マイナンバー制度施行前のため、マイナンバー欄への記入は義務付けられていない
・マイナンバー通知カードの配送遅れ等の理由から、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の提出期限までにマイナンバーを確認できていない従業者等がいる可能性がある
・直近まで海外に赴任していた従業員が帰国後間もないためマイナンバーが付与されていない(住民票作成後にマイナンバーは付与されます)

もちろん、その後もフォローしてマイナンバー収集を進めた事業者であれば問題ないとは思いますが、今回は初回であることから、必要に応じて再確認すべきでは、と考えます。

また、制度改正によってマイナンバーなどを記載した帳簿(電磁的記録を含む)を作成することで、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書へのマイナンバー記載を行わないようにした事業者もいると思います。この場合、氏名、住所等に異動があった場合でも速やかに異動内容を反映できるような手続きの整備が求められていますので、ご留意ください。

なお、従業員が給与所得者の扶養控除等(異動)申告書にマイナンバーの記載を拒否する可能性もあります。その場合は、マイナンバーの記載は法令で定められた義務であることを伝達し、提供を求めてください。それでもなお、提供を受けられない場合は、その経過等を記録し、保存することが必要です。もし、このような記録が保存されていない場合、第三者から見て提供されたマイナンバーを紛失等したのでは、と疑義を持たれる可能性があります。また、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書にマイナンバーの記載がなくても、扶養控除等の適用可否を判断するために必要な事項が記載されていれば、当該申告書が提出されたものとして税額計算を行うこととなります。

源泉徴収票・給与支払報告書の提出とマイナンバー

年末調整による税額計算の後、給与所得の源泉徴収票を作成し、1通を税務署に提出し、1通を従業員等に交付する必要があります。また、同様の書式で給与所得者の各市区町村別に、給与支払報告書を作成する必要があります。マイナンバー制度の開始により、源泉徴収票と給与支払報告書にはマイナンバーを記載する必要があります。ここで注意しなければならないのは、
「従業員等に受給者本人に交付する源泉徴収票にはマイナンバーを記入しない」
ことです。
昨年までは記載内容が同じなので、税務署等で配布する複写式の用紙、または同一内容を印字して作成していた事業所が多いと思います。しかし今回は、税務署に提出する源泉徴収票、市区町村に提出する給与支払報告書についてはマイナンバーを記載しなければならない一方で、従業員等に渡す源泉徴収票にはマイナンバーを記載しない様、対応することが求められます。

従業員等からマイナンバーの提供を受けられなかった場合は、源泉徴収票や給与支払報告書のマイナンバー欄を記載せずに提出することになります。その際に、摘要欄等に理由等を記載する必要はありません。また、マイナンバー提供を受けられなかった経過等の記録を添付する必要もありません。税務署等から確認がある場合に提示できれば問題ありません。

なお、マイナンバー記載欄の追加により、用紙サイズもこれまでのA6からA5に変更されることにも留意が必要です。

その他の支払調書とマイナンバー記載

報酬、料金、契約金及び 賞金の支払調書、及び不動産の使用料等の支払調書についても、個人に対して支払いを行った場合は、支払いを受けた者のマイナンバーを記載する必要があります。支払先が法人の場合は法人番号を記載することになります。
こちらについては個別にマイナンバーの提供を求めることになるので、支払先が個人なのか法人なのかを確認した上で、それぞれに対応した適切な手順で番号を取得する必要があります。
もし、個人の支払先でマイナンバーの提供を受けられなかった場合は、従業員等の場合と同様、その経過等を記録し、保存することが必要です。
また、個人の支払先に支払調書の写しを渡す場合には、写しにマイナンバーを記載しないで渡すことになります。

マイナンバー制度の施行後もマイナンバーの記載が必要な書類の見直しや、記載の省略等、随時制度改正が行われており、今後も続くことが想定されます。マイナンバー制度の原則として、余計なマイナンバーの収集、保存、利用をしてはいけないので、今後も制度改正等の動向に注目し、適宜対応することが必要です。

上記に関して、ご関心、ご相談等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォームは、こちらです。

デルタエッジコンサルタントでは、マイナンバー制度で運用上発生する様々な事象や、逐次発生する制度改正への対応方法、等について質問や相談をしたい事業者様に対して、お手軽に利用できるマイナンバーアドバイザリサービスを提供しております。
詳細は、弊社ホームページの「マイナンバー制度対応サービス」を参照ください。

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