コラム

 公開日: 2015-07-30  最終更新日: 2015-08-17

不正競争防止法の改正

今国会では安全保障関連法案に関して、連日報道がされており、世間の注目を集めていますが、その中で、平成27年7月3日に不正競争防止法の一部を改正する法律が成立し、7月10日に公布されました。
適切に管理された社内の営業秘密が不正な持ち出された場合、民事上・刑事上の措置をとれるようにしたのが不正競争防止法です。
近年、営業秘密の不正持ち出しによる被害の大きさが増大しており、情報技術の進化に伴ってその手口も高度化しています。今回の改正案はこうした状況に対応するとともに、営業秘密の侵害行為に対する抑止力の向上等を刑事・民事両面で図る内容となっております

不正競争防止法と改正理由

不正競争防止法とは、事業者間での不正な競争行為を防止するための法律です。不正な競争行為とは、以下の様な事象を指します。

・他社のマークやロゴを勝手に使用する
・他社製品の模倣品や海賊版を提供する
・製品等の原産地や品質を誤解させるように表示する
・窃盗や詐欺などの不正な方法で他社の営業秘密を取得する
・競争関係にある他社を陥れるため嘘の情報を流す


こうした不正な競争行為によって自社の営業上の利益を侵害された場合、行為の差止めや損害賠償の請求をすることができます。また、行為者には刑事罰が科される場合もあります。
近年、ITの進化や事業環境の変化、等を背景に、営業秘密の漏洩が質・量ともに深刻になってきており、また、漏洩した場合の影響も一段と大きくなっている状況です。そのため、不正な方法による営業秘密の漏洩について、処罰対象になる行為の範囲や罰則などを見直すことが今回の法改正の理由となっています。

主な法改正の内容

具体的な内容は、以下の通りです。

1.処罰対象になる行為の範囲について見直し
昨今の携帯情報端末の普及やクラウド利用の拡大といったIT環境の変化などに対応することで、現在の社会環境に見合った処罰範囲の再定義を目的としています。具体的には、以下の内容です。

・営業秘密の取得等の未遂行為(不正アクセス等の電子的な攻撃も含みます)
・不正に取得、開示されたものと知りながら取得した営業秘密の使用や転売等(法改正前は転々と流通する不正取得された名簿や技術情報等についての刑罰はありませんでした)
・海外のサーバーに保管された情報の不正取得(法改正前は日本国内で管理されている営業秘密のみが対象でしたが、近年のクラウド等の海外サーバーでのデータ保管増加を背景に改正されました。)

2.罰則の強化
企業の保有する営業秘密の価値が増大した結果、被害が大きくなったり、流出させた犯人に対する報酬が高額化したりすることを踏まえ、刑事・民事両面で、これを抑止するために罰則が強化されます。海外での使用などに対しては、下記より更に厳しい罰金となります。
・懲役:10年以下→10年以下(変化なし)
・罰金(個人):1千万円以下→2千万円以下
・罰金(法人):3億円以下→5億円以下
・不当な収益や報酬の没収を追加

3.企業情報使用物品の譲渡・輸出入等行為に対する措置
営業秘密を侵害して生産された物品を譲渡したり、輸出入したりする等の行為を以下の対象としました。
・民事:損害賠償や差止請求の対象
・刑事:刑事罰の対象

4.被害者の立証負担の軽減
営業秘密侵害の訴訟では、被告による営業秘密の使用を推定する規定等を創設しました。これは、被告(不正取得者)が製品等の生産方法に係る営業秘密を不正取得したことを原告(被害者)が立証した場合に限り、被告が当該営業秘密を使用して製品を生産したものと推定することができるようになり、原告(被害者)の立証責任が軽減されることとなりました。

企業が不正競争防止法の保護を受けるために対応すべきこと

冒頭に述べたように、不正競争防止法による営業秘密の保護を受ける場合は、営業秘密が適切に管理されている場合に限ります。その管理内容については、経済産業省の「営業秘密管理指針」)に記されています。また、以前のコラムで営業秘密管理指針の内容について紹介したので、参照ください。
・「営業秘密管理指針の改訂(1)-自社の秘密情報を管理していますか
・「営業秘密管理指針の改訂(2)-自社の秘密情報を法的に守るためには

なお、法に保護されるとはいえ、営業秘密が流出した場合には大きな影響を受ける可能性があります。重要な営業秘密については流出しないよう、その保管や取扱いに十分気をつけて、漏えい防止に向けた対策を効果的に行うことが必要です。

参考:経済産業省の営業秘密に関するホームページ

上記内容に関連して、ご相談や質問などがございましたら、お気軽にご連絡ください。
デルタエッジコンサルタントでは営業秘密が法的に保護されるための管理や漏えい防止に関するコンサルティングサービスを提供しております。
お問い合わせフォームは、こちらです。

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