コラム

 公開日: 2014-12-26  最終更新日: 2015-07-02

中小企業の業務継続計画(BCP)について

※本コラムは、弊社ホームページの以下のブログ内容を再編集し、加筆・修正した内容です。
・「平成26年版防災白書における業務継続計画(BCP)策定状況
・「中小企業における業務継続計画(BCP)について

東日本大震災の発生から、もうすぐ4年を迎えようとしています。震災発生直後に注目された話題の一つが、業務継続計画(BCP)でした。
現在のBCPに対する取組状況から、今後どのように対応していくべきか、中小企業に注目して確認してみます。

統計情報から見る企業のBCP策定状況

まず、企業のBCP取組状況について、
平成26年度版の防災白書
平成26年7月「企業の事業継続及び防災に関する実態調査結果(PDF)」(内閣府)
の統計データを確認してみましょう。企業規模別に見た業務継続計画の策定状況は以下の通りです。BCPを「策定済み」及び「策定中」と回答した企業は、大企業では7割以上、中小企業で4割弱となっており、大企業のほぼ半分の割合となっています。

業務継続計画の策定状況

ここで中小企業に着目して、時系列でのBCPの策定状況を確認すると、BCPに取組む企業は増加傾向にある一方で、BCPを策定する意思を持たない企業の割合も増えております。つまり、震災直後は「業務継続計画を策定しよう」と考えていたが、時が経つにつれ、計画策定をやめてしまった企業が少なからず存在することが伺えます。また、「業務継続計画を知らない」と回答した企業も増加しており、早くも意識の風化が始まっていることを示唆していると考えられます。

BCP策定状況(中堅企業)

さらに、BCPを策定する予定のない企業に対してその理由を確認すると、
・社内のリソース不足
・外部からの要請がない
・BCP策定の必要性やメリットが不明確
の三つに大別される内容でした。(個々の理由は以下のグラフを参照ください)

BCPを策定しない理由(中堅企業)

一方で、BCPを策定した企業の理由で最も多かったのが、「過去の災害、事故の経験から」というものでした。BCPをはじめ、リスク管理やセキュリティといった領域は直接売上げや業績に繫がるものではなく、日常業務における効率性とトレードオフの関係にあるため、どうしても優先度が低くなる傾向にあります。私もBCPや危機管理に関わる作業に携わったのは、いわゆる重要インフラを担う企業、あるいは、通常の事業活動を妨げるような問題に直面してスムーズに対応ができず、右往左往した経験を持つ企業がほとんどでした。

BCPは中小企業でも必要

さて、業務継続計画(BCP)はグローバル企業や公共会社といった大企業のものであって、中小企業の多くには必要のないものと考えている方も多いのではないでしょうか。しかしながら、被災等による影響を受けやすいのは体力の少ない中小企業であり、従業員の安全や資産の保全を行った後、早期の復旧や立て直しを図ることで自社の生き残りを考える必要があると思います。つまり、BCPの策定は企業自身のために策定するものであって、外部から言われたから、という性格のものではないと理解いただければと思います。

また、社内のリソース不足、特にノウハウのある人材の不在やコスト面での負荷が高いことを理由にBCPを策定しないという意見も多いです。特に大手のSIerやコンサルタント会社による災害対応システム導入やバックアップセンター構築の提案等から、コストが高いというイメージを持たれることが多いのですが、彼らの提案はあくまでも手段の一つにすぎません。大切なのは、災害や問題に直面した際に自社がどう行動し、ダメージを最小化するか、という方針や行動基準であり、まずは残った設備でどう切盛りするかを検討すべきです。また、取引相手や別地域の同業他社と連携し、相互に補完し合うことでコストを抑制するやり方も考えられます。

BCPを策定する際には自社の業務を棚卸し、自社の経営資源やビジネスモデル上の脆弱性を抽出して対策を検討しますが、この内容を活用して現状の業務プロセスの見直しや改善につなげることもできます。被災時には重要業務の早期復旧を図ることで、マーケットの占有率低下や顧客離反を軽減させることも可能になります。
また、BCPの策定に満足して、BCPの内容に沿った訓練を怠る、見直しを行わない、といったケースも散見されます。例えば避難訓練を行ったところ、避難経路としていた通路が、日常は防犯上の理由で施錠されていた、ということもありました。もし訓練を行わないまま避難活動が行われたら、と思うとぞっとします。

BCPは防災だけでなく、より広範囲に適用可能

最後に、東日本大震災の影響で注目されていることから、防災計画と同一視されがちな業務継続計画ですが、その対象はもっと広範囲であり、例えば本社ビルの火災や、社内でのインフルエンザ蔓延による従業員の自宅待機、といった、自社のみが脅威に直面するケースにも適用されます。もし業務継続計画が存在しない場合、継続業務と早期復旧の手順が場当たり的にされてしまい、スムーズな復旧ができないばかりでなく、顧客離反を招く可能性もあります。自社のBCPが策定されていないならば、今一度その必要性を検討してみてはいかがでしょうか。また、BCP策定後見直しを行っていないならば、ぜひ内容を確認してみて下さい。

上記内容に関連して、ご相談や質問などがございましたら、お気軽にご連絡ください。
デルタエッジコンサルタントでは、BCPに関して、
・リスク評価や優先順位の検討支援
・BCPの策定支援
・過去に作成したBCPの見直し
・既存のBCPの横展開(震災用BCPに基づく、感染症BCPの策定、等)
といったサービスを提供しております。
お問い合わせフォームは、こちらです。

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