コラム

 公開日: 2018-04-23 

就労継続B型の平均工賃に応じた報酬見直しで、改めてB型とは何かを話し合いました

基本報酬は月額平均工賃に連動した改定に

平成30年度障害福祉サービス等報酬改定で、就労継続B型の基本報酬については、定員規模別の設定に加え、平均工賃月額に応じた報酬設定となりました。この理由として、「工賃が高いほど、自立した地域生活につながることや、生産活動の支援に労力を要すると考えられることから、高い報酬設定とし、メリハリをつける」と説明されています。
【改定前】基本報酬 584単位
【改定後】平均工賃月額    基本報酬
      4.5万円以上    645単位
  3万円以上4.5万円未満621単位
  2.5万円以上3万円未満609単位
  2万円以上2.5万円未満597単位
  1万円以上2万円未満586単位
  5千円以上1万円未満571単位
  5千円未満    562単位


「週一」問題と福祉的支援の評価

この改定をどう考え、どのように今後の活動に反映していくのか、または現在の活動をどのように見直していくのかについて、B型事業所が数か所集まって、話し合ってみました。(NPO法人障がい者就労支援事業共創ネットワーク主催「共創カフェ」)。

今回の改定では今まであった目標達成加算がなくなるため、事業所によっては大きな減収になり、運営体制の見直しが必要になるとのこと。その中で職員のモチベーションをどのように維持・向上させていくのか、経営者・管理者が考えていくことは多いようです。

また平均工賃「月額」(支払い工賃総額÷支払い対象延人数)で評価されるので、例えば週一回利用という利用者が多ければ、平均工賃月額は低く計算されてしまいます。工賃額は基本報酬に反映され、福祉収入=経営に影響してきます。だからといって、平均工賃の計算を考えて週一の利用者を断ったり、受け入れないのか、ということになりますが、今回集まった事業者さんたちは口をそろえて、それはない、と言っていました。

なぜなら週一の利用者は週一でもその人のペースで通ってきているから。その人のペースを考え、少しづつ回数が増やせるようにしていくのが支援者の仕事だから。この部分の支援の量がどのように評価されているのか分かりくい部分もあり、また「工賃が高いほど~生産活動の支援に労力を要する」という説明には疑問もあ。しかし、平均工賃の計算を考えて週一利用者に対応することは、福祉的支援の点からは、ないという発言がほとんどでした。


利用者に寄り添うこと、やりがいのある仕事を作ること

平均月額工賃に応じた基本報酬という今回の改定で、改めてB型とは何かを話し合ったところ、
・利用者は高齢でも、週一しか来れなくても、「働きに来ている」
・来た時にちゃんと働く仕事があること、その働きに応じた工賃があることが大事
・工賃は少ない(例えば5,000円とか)より高い方(例えば3万円とか)がいい。何か一つを買うとしても、自由度と選択肢が増える。
・その人が活躍できる仕事を作る。工賃が高くても、その人があまり関わっていないのでは、やりがいにつながらない。
・その人ができることを増やしていく。工程、作業分解、冶具の工夫

話し合いの中に障害のある子を持つ親の立場の方もいらっしゃいました。
その方からの発言。「皆さんの事業所を利用している障害者が、働き続けることができること、通い続けることができることを考え続けてほしい」。これはとても強いメッセージでした。そして、B型の基本スタンスは「利用者に寄り添うこと、やりがいのある仕事を作ること」と今回の参加者で確認しました。

事業所がやるべきことは、やっぱりやる

「やりがいのある仕事を作ること」。ここには事業所がやるべきことが、まだまだたくさんあります。
・内職仕事を受けるにしても、安すぎる値段で受けない、ちゃんと交渉して適正な値段で仕事をだしてもらう。その前提にちゃんとした品質で納められるよう内部の体制は整えておく。
・どんな仕事があるのか常にアンテナを貼っておく。じっと待っていても仕事は来ないので外に出る。営業する。その前提に自分たちの事業所は何ができるのか、どこが強みが、どんなところまで対応できるのかを把握しておく。
・自主製品に安すぎる値段をつけない。福祉だから100円という無意識の設定からの脱却。その前提に第三者の商品評価を常に求める
・利用者の可能性を信じる。

などなど。まだまだたくさん出てきます。そしてどれも対策を立てることができるものがほとんどです。
基本スタンスが明確になって、やるべきこと(課題)わかって、かつそれらに解決の対策がありそうであれば、やらなければならないということになるのではないでしょうか。

この熱い2時間を話し合いを通じて、やるべきことに果敢に取り組んでいく事業所をしっかり応援していこうと、決意を新たにしたところです。

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