コラム

 公開日: 2018-03-13  最終更新日: 2018-03-14

工賃向上で「営業力」や「販路」に困っている事業所にみる共通の課題と最初の一歩

今年度、ある自治体で行った年間工賃向上プロジェクトが3月に、無事、ゴールしました。
プロジェクトのテーマは「営業力強化」。弊社がコーディネータ―になって、参加した複数事業所が、あたかも1つの会社の営業部のように、各課(参加事業所)の営業計画発表、進捗報告、成果報告と進めてきました。年間会議の中では、講義やワークを加え、ゲストスピーカーの講演を行い、内外の刺激を受けて切磋琢磨するというものでした。

目標数字を達成した事業所もあり、達成しなかった事業所もあり、そもそも行っている事業を見直さなければならないという抜本的な改革に直面した事業所もあり、参加した事業所ごとに様々でしたが、自分たちの経験と他事業所の経験を学びに変えて、次年度からまたチャレンジしていってほしいと思います。

そんな中で、参加した事業所が直面した共通の課題を上げてみたいと思います。

仕事は待っていても入ってこない。外に出よう。

事業所の中である程度作業がルーティーンになっていると、仕事は入ってくるものだと錯覚しがちです。大きな法人になると事業所間での職員の移動があり、移動した先の就労事業が安泰であれば前例に従えばいいということになり、あえて努力する必要がないと「感じる」ことがあります。そんな時には、まず初心に戻って、今の工賃で十分なのか、十分でない場合は今の仕事をどうやって増やしたらいいのか、または生産性を上げたらいいのかを考えましょう。

逆に、移動してみたら売上は右肩下がりで、すぐにでもなんとかしなければならないが、何から手を付けたらいいか分からないという場合もあります。この場合は売上現状の原因をつかむことは第一ですが、合わせて、そもそも事業所としていくらの工賃を払いたいのかを決める・確認するということです。ややもすると、売上が減ったのだから工賃が下がっても仕方ないという弱気ループにはまってしまい、脱出のきっかけを失ってしまうこともあります。

そしてどちらの場合でも、自分たちの現状の確認とスタンスの確認ができたところで、まずは今の取引先と話をしてみる。自分たちはこうしたいんだけど、ここで困っちゃっているんですよねと話をしてみる。すべての取引先が聞いてくれるわけではないですが、中には反応してくれるところもきっとあります。そういうやり取りの中から自分たちでは気づかない改善点や事業機会が見つかるものです。職員が営業の役回りとしてやるべきことは、良い取引を増やすこと。そのために事業所の中だけにいたのでは、きっかけも、改善策も、解決策も見つかりません。仕事も、良い取引も待っていては入ってきません。外に出ましょうう。

やみくもに飛び出さない。足元の情報をしっかり見る。

とは言っても、気持ちだけで外に飛び出すことは危険です。まずは取引先にと話しかけたはいいけれど、そこから先が続かないということにもなってしまいます。話を前に進めて行くための「材料」がないと、せっかくの時間がただの意志表明になってしまうかもしれません。「材料」というのは、例えばハコ折などの軽作業をしているのなら生産量(どれくらいの量を何日でできる)の話であったり、品質(作業体制や検品体制など)の話であったり、対応できる種類の話であったり。つまり「材料」は現在の生産現場の情報です。これらの情報は事業所の中にある情報です。足元の情報をしっかりつかんでおくこと。灯台下暗しにならないように気を付けましょう。

ウリはあるか?「ならでは」があるか

ここが一番大事なところです。例えば豆腐の製造販売をしている事業所があるとしましょう。店舗や移動販売などで売り上げは上がっていますが、外食のお店に広げていきたいとします。ウリは、国産大豆で安心・安全。さて、これだけで他のお豆腐屋さんと戦えるでしょうか?福祉に関心のあるお店にだけ取り扱ってもらえばいいということであれば、ウリに「福祉」が入ってきて、一般のお豆腐屋さんとは明確な差別化はできると思いますが。もし事業所が福祉のお豆腐屋さんではなくて、お豆腐屋さんとして勝負したいのであれば、そこの事業所ならではの魅力がどうしても必要です。ここはどんな事業でも一番頭の痛いところなので、すぐに「これ」と出てくるものではないと思いますが、ここが出てきたら「突き抜けたお豆腐屋さん」にきっとなることでしょう。それが何なのかを追求し続けていく姿勢は大切だと思います。

働いている利用者に働きに応じたお金を払っていくには(工賃を上げるには)売上が必要で、売り上げはお客様や取引先がいて成立するものです。お客様や取引先への働きかけ(営業)は誰の役回りかといういうと、やはり職員です(中には利用者という事業所もありますが)。人手がない、時間がないという現状はありますが、まずは上記の3つに取り組んでみませんか?

=========================
ソーシャルファームの経営支援
有限会社キュベル
http://www.cuvel.co.jp
=========================
Mission
何らかの「障害」があっても
張り合いをもって働ける社会を目指す
ソーシャルファームを支援します。

Value
「強い組織を作る」「動くチームを作る」「成果を重視した事業を作る」を通して
障がいのある人の働く場をエンパワメントします。
==========================

この記事を書いたプロ

有限会社キュベル [ホームページ]

経営コンサルタント 風間英美子

東京都中央区日本橋3-2-14 日本橋KNビル4F [地図]
TEL:03-5201-3631

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
CUVELとは

Mission何らかの「障害」があっても張合いをもって「働ける」社会の実現を目指すソーシャルファームとソーシャルビジネスを支援します。「なぜ働きたいの?...

CUVELサービス

【コンサルティング】「強い組織づくり」「動くチームを作る」「成果重視の事業を作る」を通して、障害のある人の働く場をエンパワメントします。エンパワメントと...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
風間英美子 かざまえみこ

障害者の経済的自立実現のために。事業所が運営できるスキームを手渡して(1/3)

「多くの障害者就労事業所(以下、事業所)の経営者の方は、『働くことが働くに見合う金額の工賃にしたい』お気持ちがありますが、現実的には理想通りにいかないと悩んでいらっしゃいます。福祉的な想いで事業所を運営していますが、別のスキルである経営ノウ...

風間英美子プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

障害者等が活躍するソーシャルファームの経営支援

会社名 : 有限会社キュベル
住所 : 東京都中央区日本橋3-2-14 日本橋KNビル4F [地図]
TEL : 03-5201-3631

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5201-3631

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

風間英美子(かざまえみこ)

有限会社キュベル

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声

管理者や職員の役割が明確になりました!向かう方向がはっきりしました!

管理者や職員の役割が明確になり、向かう方法がはっきりしま...

S・K
  • 女性 
  • 参考になった数(1

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
春蘭の宿さかえやを知っていますか?

奈良時代から1300年続く信州渋温泉に、従業員の平均年齢28歳!という温泉旅館があります。「春蘭の宿さかえや」...

[ 事例 ]

工賃向上の共同受注で見落としがちな点は?

障害者が働く就労継続B型事業所(非雇用型)の月額平均工賃は約1万4千円。この工賃を上げるには必要な利益を生み出...

[ 工賃向上 ]

人・もの・街を繋げる力で、障害者の仕事と社会参加の課題に挑戦するカラコネオフィス
イメージ

 障害者の社会参加というけれど・・・その課題に挑戦 障害者就労の目的は、障害者の経済的自立や社会参加の機...

[ 事例 ]

就労継続B型の平均工賃に応じた報酬見直しで、改めてB型とは何かを話し合いました

 基本報酬は月額平均工賃に連動した改定に 平成30年度障害福祉サービス等報酬改定で、就労継続B型の基本報酬に...

[ 工賃向上 ]

就労継続支援A型事業所が成果を上げるために大事なことは何だろうか~A型研修より
イメージ

昨年度、沖縄県では就労継続支援A型事業者に向けて、適正な運営に向けた指定基準見直し等にかかる制度改正対応学習...

[ 就労継続支援A型 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ