コラム

 公開日: 2018-01-10 

ベタですが、就労支援事業A型は就労事業責任者を決めて、やっぱり事業計画を作りましょう。

ずっとモヤモヤしている謎深い事例

就労継続支援A型事業所の事例で、ずっと気になっていることがあります。

1つは、意気揚々と地域でミニスーパーを開業したものの、1年で閉店してしまった事例。食品流通の経験のある人材を揃えず、福祉畑の職員が利用者とともに奮闘。しかし、赤字に耐え切れず閉店。未経験な事業に体制を整えず実施にいたったのは、どのような意思決定があった?深い謎です。

もう1つは、地域の食品雑貨の小売店。そこそこ売り上げはあるものの、A型としてはもう少し数字を頑張らなければならない。店長(職員)が専門家の力を借りて、売れ筋分析や、新規顧客の開拓、仕入れ先の探索・選定方法の指導を受けけ、いざ、実行へ。が、ここで動きがフリーズ。理由は、「忙しくて時間がとれない」。改善したいという希望で改善の道まで見えたのに、なぜ「忙しい」とフリーズしたのか?これも深い謎です。

おそらく、「就労事業責任者」不在?


この謎はずっと心に引っかかっていて、折に触れて思い出し、思い出しては考えてみたりしていました。そして、もしかしたらと思い至ったのは、両方とも「事業責任者」が不在だったのでは、ということ。

A型事業所として「事業所管理者」はいらっしゃいますが、その方々がスーパーや小売店の「事業責任者」であったかどうか。「事業責任者」は売上や利益に責任を持ち、その目標を達成するためにヒト・モノ・カネを動かして、調整したりする権限を持っています。スーパーでは店長(一般職員)が頑張っていたことは聞いていますが、ヒト・モノ・カネを動かせる立場になかったようです。小売店でも店長は一般職員で、同様に事業の責任者でありませんでした。

では、「事業責任者」とは誰だったのか??
おそらくここが完全に不在だったのではないかと思います。

「事業責任者」がいないので、当然事業計画はなく(誰かが作っていたかもしれませんが)、計画がなければ向かう方向が分からず、それでも目の前に仕事があるからそれをみんなでこなしていた、という様子だったんではないかなと想像します。そして目の前の仕事をこなしているけど前進感がなく、計画がないから優先順位もなく、時間内にできないことは「時間がなくてできませんでした」ということになったのでは?

なにより、もしそうだったらコワいのは、やっている仕事に無関心?ではないかということ。少しでも変だなと思わなかったのだろうかということです。スーパーにしても客足はどんどん減って行っているだろうからこのままで大丈夫かなと思ったり、小売店にしても仕入れがなければ棚はスカスカなのでマズいなと思ったり。

もっとも店長や店員が「大丈夫かな」「マズいんじゃないか」と思っても、「事業責任者」がいなければ、その不安を伝える相手もいませんが・・・・。

事業責任者を明確にして、やっぱり事業計画を作りましょう

就労支援継続A型事業は、障害者雇用を前提にした中小企業のようなものなので、事業計画は当然あるのかなと思っていたのですが、実際に作成されているところは多くないようです。雇用契約を結んだ利用者の支払賃金が分かっているので、その上での売上計画・事業計画を作っていくのが肝だと思うのですが。(もちろん簡単な作業ではないことは承知です)

もし事業責任者が不在であれば、まずは事業責任者を決めてみてはいかがでしょうか?
そして事業を推進する担当者を明確にし、誰がどんな責任をもつということを明確にされてみたら良いのではないかと思います。そしてそして、やっぱり事業計画書を作りましょう。

事業計画書は目標に向かって進む道しるべですし、なにより事業責任者・担当者の事業チームをつなぐコミュニケーションツールになります。

もしこの2つをまだやっていないという事業所さんがいらっしゃいましたら、ぜひお試しください。
事業を改善する、またはより良い事業を作っていく足がかりになると思います。

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