コラム

 公開日: 2017-10-17 

障害者就労事業で停滞感を感じたら、まずはリーダーが行動を変えてみよう

数字が合わない。その背景は?

就労継続支援B型の工賃向上に関することや就労継続支援A型の事業収益に関する調査が様々に行われていて、その調査報告書を眺めていると感じるのは、やっぱり数字が合わないなあということです。B型事業にしてもA型事業にしても、
そこで働く障害者(=利用者)の工賃・賃金は、利用者が従事した事業の経費を引いた利益から支払われるというものですが、調査で集計された事業利益と実際に利用者に支払った工賃・賃金が合ってない?事業利益<支払い工賃・賃金という形になっていて、その差がかなり大きい? つまり工賃や賃金のための就労事業で利益がでないため、福祉収入でカバーしている形になっている??

さてこれは本当にそうでしょうか?
実態は個々にあたってみなければわかりません。
中には単に仕訳を間違えている場合もあるし、なぜか事業の収益とは関係なく利用者工賃が決まっている場合もあるし、事業が立ち上がったばかりという場合もあるし、何等かの事業で収益が一時的にドンと落ち込んでしまったという場合もあります。スキル的な問題であれば、知識を正しくすれば割とすぐに対応することが可能です。j事業の時期的な問題であれば
見通しが立っているかどうかという問題もあります。

しかし就労会計の知識やスキルの問題ではなく、慢性的に停滞しているという場合は、事業そのものの仕組みもあるかもしれませんが、次のようなことも大きく影響しているのではないかと思うのです。

問題は、職員全員に事業所の現状や課題が伝わっていないこと?

問題は個々の事業所で就労事業(今の事業で工賃や賃金が払えているのかどうか)の現状が職員全員に伝わっていないのではないかということです。数字の集計は経理や事務担当者がまとめてくれるので、就労部門としてはその数字を読むことをするわけですが、管理者が数字が上がった・下がったで報告(会議?)を終えている事業所も多いようです。もう一歩踏み込んで上がった理由や下がった理由、そして今後の見通しまで話している事業所ももちろんありますが、それほど多いという印象はありません。

また気になるのは数字に関しては管理者からの「報告」が多いということ。一緒に就労事業を作っていく職員にどれだけ響いているのか、ここが問題です。職員から、「数字はもともと苦手なので聞いてもよく分からない」「数字は管理者がやることで自分にはあまり関係ない」、という声を聞いたことがあります。関心がない耳にはほどんど届かないというのが実態ではないでしょうか。数字は現在位置を示してくれて、これから向かう方向性を示してくれるもの。同じ船に乗っているメンバーが知らないとか関心がないということでは、キャプテンとしては不安じゃないですか?

そして職員から意見が上がってこない?

そして管理者からよく聞くのは、職員から意見が上がってこないということ。バザーでの販売、取引先への納品、施設外就労での作業、日々の生産活動など、利用者に関することや取引先に関することなど情報を持っているのは職員なので、その意見が大いに参考になるわけですが、この反応がない。気づいたことがあれば何でも言ってください、と意見を促しているのに、闇の中に石を投げているように何の反応もない・・。

職員から、「気になることはあるけど話しにくい」「以前に話を出したことがあるが、すぐに却下された」「話を出す機会がない」という声を聞いたことがあります。せっかく持っている貴重な情報が引き出しに入ったままになっている。これもリーダーとしてはかなり困る状況ですよね?

まずはリーダーから行動を変えてみよう

もしあなたが就労継続支援事業A型やB型の管理者や就労事業に責任を持つ立場で、就労事業が停滞している・就労事業収益で工賃や賃金がなかなか支払えていない状況で、上記のように孤軍奮闘(?)で不安や悩みを感じているとしたら、まずは自分自身の行動を少し変えてみませんか?

・自分自身が事業収支を「読む」習慣をつける。
・読んだ内容をかみ砕いて伝える。
・伝えた時の職員の反応を観察する。→ 伝える内容に反映する。
・職員のどんな意見にも耳を傾ける。→ 職員は仲間、情報は成長の糧。
・会議など意見が出せる機会は定例化する。→ 話し合いをする場を設ける。
・これらを根気よく継続する。

自分自身の行動のチェックリストとしても使ってみてください。
どれも簡単そうなことですが、意外に難しい。
とくに「根気よく継続する」。だからこそ「継続は力なり」という言葉があるのかもしれません。

自分自身が行動を変えることで、チームの変化の手ごたえを感じたら、事業の改善や新規事業の立ち上げとかは
かなり進めやすくなるだろうと思います。

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