コラム

 公開日: 2016-09-26 

共同受注窓口機能はマネジメント機能

共同受注は、そのかけ声ほどはパッしないという感があります。
共同受注には窓口機能が必要で、その窓口機能には営業機能や品質管理や業務管理が必要との解説がありながら、「機能」が「機能」している現場にあまりお目にかかったことがありません。

しかし、これぞ共同受注の窓口機能と思える事例が新潟にありました。
新潟県の県庁駐車場管理の案件です。案件窓口は新潟県社会就労センター連絡協議会が行いました。

業務内容は、駐車場に入ってくる車に駐車券を渡す、駐車場から出る車から訪問先の印を押した駐車場券を回収するというものです。以前は民間会社が行っていましたが、これを障害者就労事業所の共同受注として受託しました。

共同受注はとかく上手くいかない、施設間の品質に差があるのでクレームが多いというのが、今まで聞いてきている中での印象ですが、この案件に関しては4法人7事業所が関わっているにもかかわらず品質に大きな差はなく、発注者からも喜んでもらえているそうです。とくに駐車券を渡す・回収するを、利用者が車のそばまで近寄ってきて対応するので、高齢者ドライバーには好評のようです。また利用者のにこやかな対応は、県庁への用事という硬い中にあって、ほっとすることのようです。

「4法人7事業所が関わっているにも関わらず品質に大きな差がなく、発注者から喜んでもらえている」のはなぜか?
ここに窓口機能の発揮のポイントがあります。同協議会の窓口担当者が行ったことを上げてみると、

1.県からの仕様書を読み込み、作業工程を確認する。
2.作業現場を視察、必要に応じて実際に作業を行い、仕様書には書かれていない点や不明点を確認する。
3.求められる作業を完了するのに、何人で何時間必要か見積もる。
4.作業手順を作る。
5.業務管理フォームを作る。

その上で連絡協議会会員(主に就労継続B型事業所)に、作業参加募集告知。その告知内容も、「一事業所ですべての業務をやりきることが難しい場合は複数事業所がグループになること」。結果、4法人7事業所が決定しました。

聞けば、他の案件に関してもほぼこの手順で行っているとのこと。
作業が見えて、完成形が見えて、工程が見えて、必要人数も見えていることが、上手くいかない事例・施設間で品質に差が出てしまう事例との違いではないでしょうか?

つまり、「窓口」が連絡係や調整係ではなく、マネジメント機能を発揮しています。
それが他の事例との大きな違いだと思います。

窓口が連絡係からマネジメントになるにはスキル(たとえば上記の1~5など)が必要です。しかし、スキルは学ぶことで身に着けられますし、切磋琢磨することで磨いていくことができます。共同受注窓口の機関が、案件をマネジメントすることで窓口機能を発揮していくようになると、共同受注の姿もまた変わっていくのかもしれません。

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