コラム

 公開日: 2016-05-02 

就労継続支援B型の工賃の状況

厚生労働省の資料(平成27年)によると、就労継続支援B型の工賃の状況は、

○平成25年度の利用者1人当たりの平均工賃月額は、14,437円と18年度に比べ得て18.1%上昇している一方、上位25%と下位25%の事業所の平均工賃には約5.8倍の差がある。(上位25%:26,028円、下位25%:4,495円)
○平均工賃を時給換算すると178円となり、同年度の最低賃金の全国平均764円の4分の1以下となっている。
○平成18年度と比較すると、利用者1人あたりの平均工賃月額が2万円以上の事業所の割合は増加していて、全体の2割弱。
○平均工賃月額が1万円未満の事業所の割合は減少しているものの、全体の約4割。

ということです。
上位グループと下位グループの平均工賃の金額の差に驚くとともに、平均工賃月額が1万円未満の事業所が4割あり、その中身をみてみると5千円未満が1割強という数字にも驚きます。

モノを作って売るとかサービスを提供するなどの生産活動を行って年間240万の利益(例:月額工賃1万円×20人)に満たないところもあれば、年間600万以上の利益(例:月額工賃2.5万円×20人)を出しているところもあることになります。

この差はいったいどこからくるのでしょう?

平均月額工賃の順位で見ても、地域差ということはないようです。
障害の種類や年齢が指摘されることもありますが、就労継続支援B型という枠組みで、そこまでの差が出るものかと疑問です。自治体が行っている調査や分析を見ても、この疑問に対する明快は答えは見つかりません。

平均工賃月額が1万円未満という「安定的な4割」が上記の状況の中でも気になるところですが、(工賃向上に向けて)「動かないのか」「動けないのか」「動いているけど成果につながっていないのか」を、各自治体なり地域の中で障害者就労を振興する団体なりが、地域の個々の施設にあたって整理してみてはどうでしょうか?

「動かない」というのは、動く必要がない・動いたら面倒といった意識が底辺にあるように感じますし、「動けない」というのは個人個人は何かを感じているのだけど、管理者と職員・職員と職員・法人と親の会など、上手く意識合わせができないといったコミュニケーションの問題があるように感じます。また「動いているけど成果につながっていない」は、立ち上げたばかりの事業所でまだ軌道に乗っていないケースもあれば、ちょっとズレた方向に進んでしまっているという場合が考えられます。このケースの場合はちゃんとした計画を作るといった支援で軌道修正をすることができます。

「動かない」というケースは別として、意識合わせが不足している「動けない」ケースや事業計画の作成・遂行が不足している「動いているけど成果につながらない」ケースは解決できる課題なので、ここに対策を入れることで、「1万円未満の安定的4割」は減少していくのではないかと考えますが、いかがででしょうか?

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