コラム

 公開日: 2016-03-22 

工賃を考えるワークショップの企画ポイント

工賃向上に関する研修は各種行われていますが、座学形式のものもあればワークショップ形式のもの等があります。研修の目的や内容によって適切な形式があるので、一概には言えませんが、「障害のある人にとっての工賃とは何かを改めて考えてみる(つまり、「工賃向上とは何か」を考える)といった意識啓発や合意形成には、ワークショップ形式が有効です。

今回は、自治体関係者や業界団体など工賃向上に関する研修を企画する立場にある方々に、知っておくと便利なワークショップの進め方のコラムです。

あなたが研修担当者で、「工賃向上を考える」をテーマにワークショップを開催するとします。
ワークショップそのものはどのような内容にしますか?

最初に、ワークショップに関わらず、ある時間・ある場所に行って会に参加するというのは、参加者にとって、とてもハードルが高いことです。時間と労力をかけての参加であることを考えれば、その時間の中でできるだけ生産性が高く、「化学反応」を起こす会にしたいものです。

さて、研修担当者としてまず始めにやることは、ワークショップの目的とゴールを明確にすること。ワークショップがが終わったときに、参加者がどんな状態でいてほしいか、何を持ち帰ってほしいかを明確にします。これだけで、ただのおしゃべり会に陥るリスクを軽減することができます。

次に話し合いを促すための「お題」「問いかけ」を設定します。「どうぞお話ください」と言われてもなかなか話せないものですが、「○○についてどう思いますか?」と問いかけられれば、何かしら発言することはできます。このとき、声の大きな人の1人演説を避けるために、各自の発言をポストイットに書いてもらってから、一人ずつ発言してもらうなどの工夫をするとより効果的です。参加者全員が何かしら表現するということが必要です。話すことが苦手という方もいらっしゃいますが、ポストイットを活用したり、アイスブレークのアクティビティを使って話しやすい場づくりをしてみてください。

話し合いでどんな化学反応が起こるかは、この「お題」「問いかけ」の設定の良し悪しにかかっているといっても過言ではありません。たとえば先ほどの例で、「工賃向上をどう考えますか?」とストレートな問いかけを作った場合、おそらくテーマが
大きすぎて当たりさわりのない意見が出てきたり、さらに行政の問題、社会の問題など肥大した意見が飛び出してくる
可能性があります。より具体的な「お題」「問いかけ」であるほうが意見を出しやすく、その意見に触発されてまた別の意見や見方を出すことができます。「工賃をどう考えますか?」よりも、「障がいのある人は月額平均工賃が1万4千円だけど、
それでどのような生活を送ることができるのだろうか?」のほうが、問いかけられている問題をイメージすることができ、何かしら意見は言えると思います。

「お題」「問いかけ」はワークショップの肝になります。
ポイントを押さえた「お題」「問いかけ」をすぐに作れるようにはなりませんが、いくつもいくつも作っているうちに磨かれてきます。
推敲に推敲を重ねるほど、角度の高い「お題」「問いかけ」を作ることができます。

参加者に「来てよかった!」と喜ばれるワークショップを企画・実践してください。

*研修のご案内*
キュベルでは下記の研修をご用意しています。
「工賃向上の軸足作り 使命と成果」(「工賃」の意味を落とし込むワークショップ)
「工賃向上に必要な就労会計の基礎」(はじめて就労事業に就いた方向け)
「工賃向上に役立つ数字作り」(就労事業担当者、就労事業計画作成者向け)
「工賃目標達成のための予実績管理講座」(管理者、工賃向上計画作成者向け)

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経営コンサルタント 風間英美子

東京都中央区日本橋3-2-14 日本橋KNビル4F [地図]
TEL:03-5201-3631

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