コラム

 公開日: 2018-02-06 

謙虚な心で学ぶ


「つもりの落とし穴に落ちないようにしてください」

「つもりの落とし穴」、この言葉を講演や研修でよく使っている。本(自著)にも書いた。
「わかっているつもり」「できているつもり」「やっているつもり」など「つもり」という自己納得。
もっと言えば、「自己正当化」とでも言えようか。
マニュアル屋さん的に言えば、究極の「自己満足」だと思う。

これのやっかいなところは、自分ではなかなか気づかないということだ。
強い意志を持って、「自分は本当にわかっているのか? できているのか?」と
自己に問いかけなければ、答えが出ない。つまり、深く考えない、振り返らない。
本当に始末が悪いのだ。

こういうマニュアル屋さんも、20年以上前に仕事で壁にぶつかったとき、
初めて自己に問いかけてみた。
結果、何もわかっていない、できていないという事実に愕然とした記憶がある。
これには、相当こたえた、ショックだった、青ざめた。
しかし、実はそこから「マニュアル屋さんへの道」が始まったのだとも思う。

「つもりの落とし穴」にはまると、得てして傲慢になる。
批判や意見、忠告やアドバイスに耳を傾けなくなる。
「自分は、自分」と自己流・我流の道をまっしぐらに突き進んでしまう。
その結果、独りよがりの狭い知識、認識の中で安住することになる。

これでは、さらなる成長を自分で閉ざしてしまうようなものだ。
実にモッタイナイことだと思う。
自分が気づかなかったことを指摘される。自分にない考え方や知識に触れる。
これらは自分の成長にとって非常に役立つことだ。
視野が拡がる、多面的な見方ができるようになる。
自分が不足していることを知り、自己啓発につながる、などなど。良いことづくめと言ってもよい。

「マニュアル」についても、同じことが言える。
ある企業のトップに、他社の導入成功事例を熱く語ったことがあったが、まったく聞く耳を持たない。
マニュアルに対する古典的な先入観に囚われていて、一歩も前に出てこない、出ようとしない。

「なぜ、成功したのだろう?」「どんな使い方をしたのだろう?」などなど、
質問することはいくらでもあるはずだ。
それは、自社の問題・課題の解決にも役立つことがあるかもしれない。
それをしない。本当にモッタイナイと思う。

かのドラッカーや松下幸之助は、ビジネスパーソンに必要な資質として、
「真摯」「素直」といった言葉を残している。
これらはすべて、「謙虚な心」がその土台になっている。
殺伐とした現代。おごらず、高ぶらず、謙虚な心で向き合い、学ぶ。
心構えとして、本当に重要だと思っている。

社員から突っ込みが入った。
「マニュアル屋さんは、無理ですね」
「そんなことはないだろう」
「マニュアル屋さんのコラム、なんて言われているか知っています?」
「なんだよ……」
「がんこジジイのたわ言、だって」

……確かに、思い当たることは、……ある。
真摯さも素直も謙虚さも、心の持ち様である。
この心が、年とともに固く意固地になっているのだろうか? トホホ、である。
よ~し、今日から……ん? 何する?

あーぁ、毎日ホントにシンド!


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『成功したければマニュアルどおりにやりなさい。』(実務教育出版) 2015年

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