コラム

 公開日: 2017-09-11  最終更新日: 2017-09-12

マニュアル活用のポイントは、ゴールの設定にあり


マニュアルの作成・活用をスポーツに例えると、作成は短距離走、活用はマラソンである。

作成は、スタートが非常に重要になる。
最初にマニュアルの理解、作成方法などをしっかり把握しておかないと、あとあと困る。
変な方向に走ったり、変なところにパワーや時間をかけてしまうからだ。

作成が始まると、必要になるのが「突破力」と「集中力」である。
これまで当たり前にやってきたことを疑い、作業や行動を分解していく。
これには、ある種の大胆な判断が必要になる。なぜなら、既成の考え方を打破することになるからだ。
また、限られた時間を有効に使って作成するためには、一気に書き上げてしまわなければいけない。
だらだら書いていては、スケジュール通りに進まない。だから、集中力が必要になる。
そんなことで、作成は短距離走に似ていると思うのだ。

一方、活用は長丁場の戦いである。
作成は5ヶ月から6ヶ月ぐらいでゴールを迎えるが、活用はそうはいかない。
「始めたら、終わりがない」「活用は、活動である」とよく説明をするのだが、ホントにそうなのだ。
それも、山あり谷ありの難所を走らなければならない。周囲の状況をよく把握し、自分の体力を
計算して上手にペース配分をしなければ、途中棄権となってしまう。
つまり、活動がストップするという事態に直面する。
だから、活用には持久力と忍耐力が必要になる。

「マニュアル」が定着するまでには、少なくても3年から5年はかかる。
そこまで何とか走り続けなければならない。
まさに、体力(気力)勝負でもある。こんなところが、マラソンに似ていると思うのだ。

マラソンは、42.195キロがゴールだが、「活用」にはそれがない。
しかし、それだと、「いったい、いつまで走るんだ」ということになり、
途中でくじけてしまうことにもなりかねない。
そこで、「活用」というマラソンには、自分たちでゴールを作る、ということが必要になる。

例えば、いくつかのマニュアルが完成し、横一線になってスタートラインに立つ。
号砲一発、活用が始まる。
走り出すと、最初は軽快な走りを見せていても、徐々に足が重くなったり、肉離れといった
アクシデントに見舞われるかもしれない。途中で給水も必要になるだろう。

だから、とりあえず10キロごとでも良いので、そこをゴールにするのだ。
ゴールが見えていることが、ここでは重要になる。
このゴールにたどり着いたら、これまでの活動の成果を検証し、次のゴールを設定する。
例えば、作業ミスが多いようであれば、マニュアル通りに作業を徹底して、
半年でミスを半減する。つまり、「半年」がゴール(目標)になる。
このゴールをどのように設定するのか。これが問題になる。

作成と活用。どちらが上とか下ではないが、多くの企業ではこの「活用」にみな苦戦している。
その原因の一つに、このゴールの設定があると思う。

中には、ゴールそのものを設定しないで走り出している企業もあるくらいだ。
「現場でよく活用するように」というお題目だけを唱えて、それで終わり。
これでは、走り出せないし、続かない。

「活用」というマラソンには、持久力と忍耐力が必要だと書いたが、
もう一つ、ゴール(目標)設定力が必要である。
ゴールのイメージをしっかりと描き、どれだけ魅力的なものに設定するか。
そして、手が届くものにするか。それが、問われている。

ちなみに、マニュアル屋さんは、マラソンが好き(見るのが)である。


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『成功したければマニュアルどおりにやりなさい。』(実務教育出版) 2015年

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TEL:03-5261-2294

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