コラム

 公開日: 2017-01-12  最終更新日: 2017-02-06

読んでも聞いても、伝わらないのはなぜ?


ある研修でこんなことがあった。グループ代表発表での出来事である。

発表者は1枚のスライドをもとに、自店の問題点についていろいろ説明したのだが、
何が現状の問題なのかよくわからなかった。

例えば、
「清掃」でお店の汚れが目立つのは、きちんと清掃していないという意識の問題なのか、
清掃方法や清掃のルール・仕組みに問題があるのか。

クレームでいえば、最近クレームが多くなってきたことが問題なのか、
クレーム対応のスキル不足が問題なのか。

いずれも判然としない。
こういう点を明確にせず、総花的にあれもこれも語ってしまう。
聞いている方としては、結局何が問題なのかがよくわからないまま、
すこぶる未消化で終わってしまった。

こんな経験は研修だけではない。
パワーポイントで作成されたプレゼン用資料の中にも度々見受けられる。
実に堂々と説明するのだが、説明する本人も本当にわかっているのだろうかと
首をかしげたくなるような場面によく出会う。
これはなぜなのだろうか。

確かにダラダラした長文で書かれていたものを見ると、ウンザリするのは事実である。
短く箇条書きで書くように、こちらも指導している。
しかし、である。
見て、読んですぐわからないということは、問題である。
これは、深掘りが弱い、物事の追求が弱いということではないのか。
何となく頭でイメージをつくって、それをキレイにまとめてしまう。
あいまいな言葉で何となく帳尻を合わせてしまう。
なぜなのか、という問いかけを省略してしまう。
だから、読んでも聞いても、よくわからない。伝わってこないのだと思う。

どれだけ相手の立場で深く考えられるか?

マニュアルもそうである。長文も困るが、短すぎるのも、これも問題である。
重要なことは、どれだけ対象(読み手・聞き手)を意識するかということだ。
相手の立場になって、深く考えるということだろう。
それは結局、自分にはね返ってくる。
深く鋭く追求する、あいまいなものを具体的にするという訓練が
不足しているのではないだろうか。
イメージだけでは、コトはそんなに簡単に伝わらないのである。
他山の石としたい。

帰社して、社員にこのことの話をした。
「…………ということで、みんな注意するように!」
「あのう……」一人の社員が恐る恐るといった感で手を上げた。
「省略と短絡はどう違うんですか?」
「ん? どういうこと?」
「独り言、短絡しすぎてよくわからないという声が……」
「何! よく読めばわかる!」
「……次回は、短絡する危険というテーマにしては……」
ムーッ!
あー、毎日シンド!

工藤正彦 著作

・ 『業務マニュアルの作り方・活かし方―作成・活用・改訂、これこそがマニュアル! 』
(アスカビジネス) 2005年
『実戦 業務マニュアルの作り方・活かし方』 (アスカビジネス) 2009年
『成功したければマニュアルどおりにやりなさい。』(実務教育出版) 2015年

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

マニュアル作成のヒントが満載!サンプル豊富!!(無料サンプルもあります)
 → マニュアル工房

この記事を書いたプロ

株式会社クオーレ [ホームページ]

経営コンサルタント 工藤正彦

東京都新宿区矢来町24-3 マリオン神楽坂2F [地図]
TEL:03-5261-2294

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
スタッフのつぶやき
イメージ

2月14日の火曜日はバレンタインデーでした。チョコをあげる人、もらう人、悲喜こもごも?の一日だったと思います。中には、「まったく関係ない」とう方もいらっ...

工藤正彦 著作
イメージ

・ 成功したければマニュアルどおりにやりなさい。 【内容説明】なぜ一流は、あきれるほどに「基本」に忠実なのか?世界を動かす超一流と言われるマッキンゼ...

 
このプロの紹介記事
株式会社クオーレの工藤正彦さん

マニュアルの力で現場を強化し、組織の文化を作る(1/3)

 マニュアル作成・活用専門会社である株式会社クオーレ。代表取締役の工藤正彦さんは、前職で教育用ビデオを制作するうち、マニュアルの重要性に気づいたと言います。「ビデオのマニュアルにあたるシナリオがよければ、映像の出来もよくなるとわかり、文書の...

工藤正彦プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

マニュアルの作成・活用・改訂で組織を改革!

会社名 : 株式会社クオーレ
住所 : 東京都新宿区矢来町24-3 マリオン神楽坂2F [地図]
TEL : 03-5261-2294

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5261-2294

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

工藤正彦(くどうまさひこ)

株式会社クオーレ

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
マニュアルは決して一人歩きをしない
イメージ

「活用が成果をあげる」何度も書いているが、“活用”こそが苦労して作ったマニュアルを活かす。まさに、マニ...

[ マニュアルの活用と成果 ]

役立つマニュアルは、ココが違う!
イメージ

自己満足だと思うが、「このマニュアルは本当に役立つだろうなぁー」と実感することがある。これまで見よう見...

[ マニュアルとは? ]

属人化しがちなノウハウこそ、マニュアルにした方が良いと思うのだが・・・
イメージ

ほとんど“人”に頼って運営されている店舗や職場。こんな会社からマニュアルづくりの依頼を受ける。「よく...

[ マニュアル作成のポイント ]

ポジティブに発信する
イメージ

あるセミナーの受講アンケートにあった。「本当にマニュアルが好きなんだなあと、思いが伝わってきて良かった...

[ マニュアル作成のポイント ]

作って終わり? とんでもない!!
イメージ

マニュアル屋さんとして、これからは“発信力の強化”を図りたい。これまでどちらかといえば、謙虚でシャイな...

[ マニュアルとは? ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ