コラム

 公開日: 2015-12-04  最終更新日: 2016-01-09

飲食店の創業融資獲得のための重要ポイント②

事業の将来性や成功確率の高さはどうやって判断するのか!?

前回のコラムでも記載しましたが、金融機関は、事業実績もない創業者に対して、『この会社または個人へ融資したとして、しっかりお金が返ってくるか!?』ということを次の2つの視点から主に審査し判断しています。

①事業の将来性や成功確率の高さ = 融資の返済が確実にされるか!?

②会社又は代表者はどのような人か = お金を貸せるだけの信用に足りるか!?

このうち「①事業の将来性や成功確率の高さ=融資の返済が確実にされるか!?」について、金融機関は創業計画書=事業計画書によって審査しています。

事業計画書は融資を受けるために必要不可欠なものではありますが、事業計画書の本来の目的は融資を受けるためのものではなく、事業で収益を十分に得ながら企業成長を進めていくための道筋を定めることにあります。つまり、その精度を高めることで希望通りの融資を得られるとともに、事業運営を安定化に導くことができるのです。そこで今回は事業計画書の作成ポイントについて説明したいと思います。


各計算書類の要点をまとめたものが創業計画書

開業時における事業計画書は主に下記の5つの書類で構成されます。
(1) 創業計画書
(2) 事業概況
(3) 売上高・人件費予測
(4) 損益計算書
(5) 資金繰表

創業計画書は各金融機関が独自にフォーマットを用意しています。例えば日本政策金融公庫であれば、日本政策金融公庫のHPでダウンロードできます。内容はどの金融機関でもほとんど変わりはなく、創業の目的や動機、事業経験、手がける商品やサービスの内容、必要な資金や資金調達の内訳、売上高予測をはじめとした事業の見通しなどで構成されます。すなわち、(2)~(5)の各書類の要点をまとめたものが創業計画書となるのです。

融資担当者は創業計画書をもとに質問を投げかけ、そこに記された売上予測などの数値がどういった根拠に基づくものかを確認します。飲食店の開業者は創業計画書だけを作成して融資審査に臨むケースが多いのですが、質問に対して口頭で応えるだけでは真意が正確に伝わらず、事業計画の説得力も乏しくなります。そのため、希望額の借入金を得ることが難しくなり、実際に資金を手にするまでの期間も長くなってしまいます。

それを避けるため、事業計画書は(1)~(5)の書類をしっかりと作成しておくことが重要です。まず事業概況、売上高・人件費予測、損益計算書、資金繰表を作成し、それを基に創業計画書を作成するように致します。各書類のデータの整合性をとるために何度も数値を再検討することになるので、事業計画書の作成は1ヵ月~2ヶ月ほどを要すると認識しておいたほうがよいでしょう。

事業計画の信頼度を高めることが融資を受けるための条件

(3)売上高・人件費予測、(4)損益計算書、(5)資金繰表の3つの計算書類が開業時における事業計画書の柱となります。事業の収益性や資金繰りなどを検証するための書類であり、その要点などをまとめたものが創業計画書になります。各計算書類に示したデータの裏付けとなる資料などを準備して融資の審査に臨むと事業計画の説得力が増し、希望通りの融資が受けられるとともに審査期間の短縮にもつながります。

これらの数値計画を作る上で、金融機関からの信頼度を高めるためには、以下の2つのポイントを押さえたものにする必要があります。

① 現実に達成できる計画になっているか!? 
② 計画に記載された金額は妥当か!?(客観的に説明できるものになっているのか!?)

例えば、売上予測については、「月商300万円はいける」といった感覚的な数値をあげるのではなく、しっかりと「客単価 ☓ 1日客数(席数×回転率) ☓ 営業日」まで落としこんで算出するようにします。さらに、客単価と1日客数は平日と週末別に分けて時間帯別に数値を設定すれば、より精度の高い売上予測を立てることができます。
これに加えて、客数予測の裏付けとなる資料(ベンチマーク店の客数調査資料、店前交通量の調査資料など)を用意することで、立てた売上予測の妥当性はぐっと高くなります。

現実に達成できる計画?金額は妥当?はどうやって検証するのか?

融資の審査をするときは、提出された事業計画書に記載された数値を行内で保有している業種ごとのデータを比較して妥当性を審査しています。日本政策金融公庫の場合には、業種別の目安がHPにて公表されています。

事業計画にて作成した数値が下記の表のデータとあまりに乖離していないかの確認をしておく必要があります。もし、あまりに乖離するようであれば、「業種の一般はこの程度くらいだと思うが、自身の業態は◯◯◯の特徴があるので他店と比べると高く又は低くなってしまう」のような乖離する理由を説明すると、事業計画の金額の妥当性はぐっと高くなります。



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