コラム

 公開日: 2018-07-13 

持分を買い取りたい場合はどうすればいい?

一般の方が共有名義の不動産の持分を買い取るという場合、相手は親族の場合が多いでしょう。その手順、流れについて解説します。

持分を買い取りたい場合はどうすればいい?

買取手順1(売買の可否の交渉)

不動産を共有している場合、その不動産を売却するには、共有者全員の同意が必要になります。しかし、自分の持分のみであれば他の共有者の同意なしに売却することができますし、売却を希望する他の共有者から持分を買い取ることもできます。ただ、売却に難色を示している共有者から持分を買い取るには、まず、持分の売却に応じてもらえるよう交渉する必要があります。

共有者間に軋轢がある場合、この交渉は難しくなりますが、しかし、粘り強く説得し、持分を売る気持ちになってもらわなければ話は進みません。持分を売却することでどのようなメリットがあるか、持分を所有していることでどのようなデメリットがあるか、メリット、デメリットを具体的に話し、納得してもらうことが大切になります。

買取手順2(価格の交渉)

相手が持分の売却に応じてくれたなら、次に価格について交渉することになります。

共有不動産の持分価格は、その不動産の評価額に対する持分割合より低くなるのが一般的です。たとえば評価額1000万円の不動産をAさん、Bさんが共有しており、持分が1/2ずつとしましょう。そして、AさんがBさんから持分を買い取るとします。この場合、Bさんの持分価格は、「評価額1000万円×持分1/2=500万円」ということにはなりません。

買い取る額について、共有不動産の持分を一般市場で第三者が買い取る場合を考えてみましょう。共有不動産の持分を買い取った第三者にはさまざまな制約がかかります。持分を買い取った不動産を売却するには他の共有者の同意が必要になりますし、大幅な改修にも他の共有者の同意が必要になります。そうした手間などの点を考慮し、一般市場で第三者が持分を買い取る際には、20%~30%減額されるのが一般的です。

Aさんたちの例では「対象となる不動産の評価額1000万円×持分1/2×70%=350万円」という計算になります。これを共有減価と言います。

しかし、共有不動産の持分を買いたいという人はそう多くはいません。また、共有による制限をどう捉えるかは買い手の判断になります。そこで、共有持分に対しては状況によって、減価率が、40%、50%以上となることもあり得ます。

しかし、そうは言っても、自分から共有持分の買い取りを持ちかけ、相手が売却に難色を示すケースでは、いわゆる売り手市場になるわけですから、相手を納得させるためにある程度の支出を覚悟する必要もあるでしょう。

買取手順3(売買契約書の作成)

共有者との話合いで買い取り価格の合意ができたら売買契約書を作成します。親族同士で話が決まった場合、間に第三者が入らないわけですが、売買契約書を作成する必要があります。

売買契約書には、物件の特定(どの不動産の持分を買い取るのか)、買い取る持分割合、売買代金、その支払い時期と支払い方法などを明記します。

売買契約書は非常に大切なものですから、後々、問題が生じることを防ぐためにも、問題が生じた際の対処のためにも、作成にあたっては知見のある専門家のサポートを受けたほうが良いでしょう。

買取手順4(持分の移転登記)

売買契約書ができたら、その後は、契約書の内容に従って決済を行います。つまり、売買契約書に記した代金を、売買契約書に記した時期・支払い方法によって支払うということです。

そして、相手の共有持分を移転するための不動産登記を行います。この登記には費用が発生しますが、その費用は買い取った側が負担するのが一般的です。

持分の買い取りには第三者に入ってもらう

さて、共有持分の買取手順についてお話ししてきましたが、共有者間に軋轢がある場合、当事者同士で話を進めるのは非常に困難です。やはり、専門的な知識を持った第三者に間に入ってもらったほうが良い結果を生むでしょう。

Cさん、Dさん、E子さん兄妹が1棟の賃貸アパートを相続し、持分を1/3ずつ持っていたというケース。築年数が経っているので兄のCさんが大幅な改修を提案しましたが、E子さんが反対します。そこで、Cさんは弟と妹の持分を買い取ることにしました。弟のDさんは買い取りに応じましたが、E子さんは頑として買い取りに応じません。

膠着状態が続いていましたが、問題は次のように解決しました。まず、弟のDさんがE子さんの持分を買い取り、次に、Dさん自身の持分とE子さんから買い取った持分を兄のCさんに売却したのです。これで兄のCさんはアパートを改修することができるようになりました。

※E子さんがアパートの改修に反対し、また、持分の買い取りに応じなかったのは、遺産分割の際に生じたCさんへの憎しみからでした。「C兄さんのすることには絶対に応じない」という気持ちがあったのです。それは売買契約書にCさんと一緒に名前が記載されることさえ嫌だという強いものでした。

この記事を書いたプロ

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