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 公開日: 2018-06-15  最終更新日: 2018-06-18

正しい共有持分の範囲と共有持分の決め方!

正しい共有持分の範囲と共有持分の決め方!
今回は不動産の共有に関して、その「範囲」と「持分」の決め方についてお話します。二つとも不動産の遺産相続において知っておくべきことです。

所有権とは(所有権を表す持分)

所有権とは、「法令の制限内で、所有物を自由に使用・収益・処分できる権利」(民法206条)のことを意味します。例えば、あなたが土地を持っているとして、その土地に家を建てる(使用)、その土地を人に貸してお金を得る(収益)、その土地を売る(処分)、いずれもあなたにそうする権利があるということです。

親が亡くなり、長女のA子さん、次女のB子さん、末っ子のC子さん3人が土地を相続したとします。相続した土地は共有名義にしました。この場合、その土地の所有権は姉妹3人が持つことになります。A子さん、B子さん、C子さん、それぞれが「使用・収益・処分できる権利」を持つわけです。そして、A子さん姉妹はそれぞれが「所有持分」を持つことになります。この場合、持分の割合はA子さんが1/3、B子さんが1/3、C子さんが1/3です。

しかし、土地が「□」型として、これを縦に3等分し、分割された左側が長女A子さんの土地、真ん中が次女B子さんの土地、右側が末っ子のC子さんの土地ということではありません。「□」型の土地全体に対して、それぞれに1/3の持分があるということです。

所有権を表す持分

不動産を所有したときは不動産登記を行います。この場合の不動産登記は、たとえば「共有者東京都○○区○○持分3分の1×A子」という形になります。B子さんも「持分3分の1×B子」、C子さんについても「持分3分の1×C子」と記載されます。

持分の決め方と登記

不動産の持分とその登記について、もう少し見てみましょう。

Dさん夫婦(□夫・□子)がマイホームを住宅ローンで購入しました。中古住宅で物件価格は3500万円。リフォームしたところもあり、不動産屋への仲介手数料や登記費用、それにリフォーム代を加えると購入代金(取得費)は4000万円です。

Dさんには貯金が1000万円、奥さんにも貯金が1000万円ありましたが、差し引き2000万円足りません。そこでDさんが住宅ローン2000万円を借りることにしました。この家はDさん夫婦の共有名義となります。共有持分はどうなるでしょう。

購入代金(取得費)は4000万円です。そのうちDさんが出した金額は貯金1000万円と住宅ローン2000万円で合計3000万円。奥さんが出した金額は貯金1000万円です。するとDさんの持分は、3000万円/4000万円で3/4になり、奥さんの持分は1000万円/4000万円で1/4ということになります。

そして、この家の登記にあたっては、夫であるDさんについては、たとえば「共有者○○県○○市○○番地持分4分の3×□夫」、奥さんについては「共有者○○県○○市○○番地持分4分の1×□子」となります。

不動産の「持分」は、購入資金を誰がいくら出したのかによって決めなければならないのです。
資金の出所を無視して、単純に夫婦それぞれ2分の1ずつの持分にしてはいけませんし、資金を出した人と所有者が異なる登記、また、借金の当事者と所有者が異なる登記もしてはなりません。

共有持分について

ところで、最初にあげたA子さん姉妹の例では、相続した土地の持分は、それぞれ1/3でした。これは相続人が相続する割合(持分)が民法によって定められているからです。民法250条に「各共有者の持分は、相等しいものと推定する。」とあるのがそれです。持分の割合について特別な取り決めがない場合は均等にするということです。

また、A子さん姉妹は土地を相続し、それぞれ1/3の共有持分を持ってはいるものの、具体的に土地のどの区画を持っているというわけではないこともお話しました。さて、この状態で長女のA子さんが「土地を売って、そのお金を3人で分けましょう」と提案しましたが、B子さん、C子さんは不賛成という場合はどうなるでしょう?

共有名義の不動産を売却するためには共有者全員の同意が必要になります。ですからA子さん姉妹が相続した土地は売却することはできません。「それなら私が持っている分だけ売ります」。そうA子さんが言ったとしても、現段階では、具体的にA子さんが持っている土地、A子さんが「私が持っている分」と言う具体的な土地の区画はないのです。

ここでA子さんが「土地を売って、そのお金を3人で分けましょう」と言う背景に、A子さんのご主人が経営する会社の経営が厳しくなり、そこを乗り切るために至急まとまったお金が要る、ということがあったとしたらどうでしょう。妹二人に対するA子さんの気持ちに影がさすことは十分考えられます。

不動産の遺産相続に関わった多くの専門家が「共有名義」をすすめない理由がここにあります。「相続」が「争続」に発展する可能性が大きいからです。土地を分筆するなど、実は、A子さんの「持分」だけを売るという方法があります。しかし、それはそれとして共有名義による「争続」の苦しみは当事者全員にのしかかってしまうのです。

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株式会社中央プロパティー [ホームページ]

不動産コンサルタント 松原昌洙

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