コラム

 公開日: 2018-06-02  最終更新日: 2018-06-21

【子育ての工夫】想像力を育てる「おなはし」の時間

「おはなし」の時間

皆さんは、子どもの頃「おはなし」をしてもらったでしょうか?
私は、母親からしてもらった記憶はあまりないのですが、親戚の家にお泊まりに行くと、寝付く前に年上の従姉から「おはなし」をしてもらいました。布団の中でお話をしてもらうというのは、何か嬉しいものです。目を瞑って聞いていると、いつしか寝入ってしまう(あちらの目的も、そのためですが…)なんとも贅沢な時間です。
おじいちゃんも、十八番のおはなし(人間がきつねにだまされるおはなし)を持っていました。何度も何度も子どもたちに話して聞かせてきたものでしょう、聞いている方が想像を膨らませる間合いが上手でした。昔はTVなどなかったから、子どもたちにとっておはなしの時間が娯楽の時間だったのだでしょう。


聞いていないようで、こどもは真剣に聞いている

さて、自分が母親になって「おはなし」を試みたときに、素話の難しさに気づきました。誰もが知っているような昔話も、ストーリーは分かっていてもイキイキとした描写が出てこないのです。すると、おはなしが気の抜けた炭酸のようになってしまうのです。

それでも、お昼寝のときなどに手元に本がなくて起き上がるのが面倒くさいときなど、子どもに即興でお話を作って聞かせたりしました。ある時、自分の子を主人公にして風船を沢山持って遊んでいるお話をしたのですが、子どもの反応もなく聞いていない感じでしたので、そろそろ終わりにしようと思い「カラスが飛んで来て風船をパーンと割りました」としめくくるやいなや、それまで黙って天井を見ていた子どもが、火が付いたようにワアワア泣きじゃくったのです。
「ぼ、ぼくの、ふうせん、わらないでよお!!」
ーしまった!ちゃんと聞いていたんだ!と思ったのは後の祭り。

「ごめんね、ごめんね、カラスさんもあやまったよ」とか言って誤魔化しましたが、幼い心を踏みにじるひどいことをしてしまいました。私は、この件で子どもは大人が想像している以上におはなしの世界に没頭するのだ、ということを体験しました。


脳は「足りないもの」を補う力を持っている

さて、TVもなかったおじいちゃんおばあちゃんの時代と違って、今の子どもたちは最初から映像を体験しています。おはなしを聞いて想像する力に、当然差があるでしょう。実はわが家も、子どもが小2になるまで家にTVを置きませんでした。だから、よけいに想像力が強かったと思います。その影響を折々感じることが他にもありました。耳から入ってきた情報を想像する力が強くて、音楽の曲調に敏感でしたし(音楽で恐くなったり、悲しいと泣いたり、楽しくなって踊り出したり…)、友だちが人気アニメの話をするのを聞いてキャラクターやストーリーをほぼつかんで家で話してくれるので「どこで見てきたの?」と驚かされることもありました。
その後、ある理由からTVを買ってしまったのですが、それからは、だんだんとそういう特徴は消えてしまいました。。

何を言いたいのかというと、「脳は足りていないことを補おうとする力がある」ということです。それは、創造性にもつながることです。ところが、アニメでも、ゲームでも、今は何でも完璧に出来上がった世界に子どもを引き込んでしまう。魅力あるから引き込まれるわけですが、そういうものばかり与えられた子は、想像力、創造性が育ちにくくなるでしょう。これらは、人生にとても大切なものです。小さな子を持つ親御さんには、そういうこともちょっと意識していただけたらいいなあ、と思うのです。


お母さんお父さんの声が記憶に残る

ゲームやスマホだけでなく、これからはまた違った形のものが私たちの生活に加わり続けるはずです。こういったものを避けることは出来ませんが、ときにはこういったものを横に置いて、お母さんお父さんの
声で「おはなし」や「読み聞かせ」をしてあげてはどうでしょう?
もちろん、毎日のように読み聞かせしていますよ、というご家庭もあると思いますが、夫婦共働きで時間に追われているご家庭もあるでしょう。そんなご家庭でも、ときどきこんな時間を持ってもらったら(お母さん達もその時間を楽しみにできたら)こども達は何か感じるはずです。うちの子はもう大きいから…いえいえ、自分で本が読めるようになっても、目から読むのと耳から聞くのでは脳の刺激される部分が違います。それに、お母さんやお父さんの声でおはなしを聞くのは、また嬉しいものです。

何十年経っても、私が従姉妹やおじいちゃんからおはなしをしてもらったときのことを覚えているように、お子さんが大人になったときにお母さんやお父さんの声で聞いたおはなしを思い出したり、その時間の空気感を思い出すでしょう。





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