コラム

 公開日: 2016-01-28 

相続について(4) 葬式費用(葬儀費用)は誰が負担すべきか

 相続税の計算においては、葬式費用(葬儀費用)は相続財産(遺産)から控除することができます。そのため、葬式費用は相続財産から支出するものとお考えの方も多いのではないかと思います。

 しかし、相続税法は、当該相続人が負担した葬式費用を、相続する財産から控除できることを定めているだけであって、葬式費用を誰が負担すべきかを定めているわけではありません。また、民法などにも、葬式費用の負担者についての明文の規定はありません。

 葬式費用を誰が負担するのかが問題になる場合として、以下のケースが考えられます。
① 相続人の一人が葬式費用を支払った後で、他の相続人に分担を請求した場合
② 相続人の一人が遺産である預金をおろして葬儀費用の支払いをした後、他の相続人が、遺産分割において、遺産から葬儀費用を控除することを認めなかった場合
③ 相続人ではない第三者が葬式費用を負担して、相続人にその支払いを請求した場合

 このような場合にどうすべきかについては、以下のとおり、裁判例も学説も分かれています。
ア 喪主(葬式主宰者)負担説
イ 相続人負担説
ウ 相続財産負担説
エ 慣習・条理説(具体的な事案に即して、喪主が負担すべき、相続人が負担すべき、相続財産の中から負担すべきと判断するもの)

 このように、統一的な基準がないのが現状です。争いになった場合には、遺産分割調停の中で話し合うことや、独自に家庭裁判所に調停を申し立てることもできますが、調停で解決できなければ、民事訴訟で解決を図ることになります。

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