コラム

 公開日: 2016-01-24 

相続について(2) 借金の相続(遺産分割協議において、借金を誰が相続するかを決めた場合の効力)

 相続の対象となる財産には、プラスの資産だけでなく、マイナスの借金その他の債務が含まれます。 
 したがって、資産だけを相続して、借金は相続しないということはできません。

 借金のような金銭債務の場合、各相続人は、法定相続分どおりに分割して相続することになります。たとえば、夫が死亡し、妻と子ども2人が1000万円の借金を相続した場合、妻の相続分が2分の1、子どもの相続分が各4分の1ですので、妻は500万円、子どもは各250万円を相続することになります。

 この場合、相続人間で話し合って、子どもの1人が1000万円の借金全部を相続することに決めても(借金の遺産分割)、債権者に対してはそのことを主張できず、債権者は、法定相続分どおりに各相続人に請求することができます。

 もっとも、そのような借金の遺産分割は、何の効力もないのかというと、そうではなく、相続人間では有効であり、仮に妻が債権者に500万円を支払ったときは、借金全部を相続することに決まった子どもに対して、その500万円の返還を請求することができます。また、債権者が、子どもの1人が1000万円の借金全部を相続することを認めれば、他の相続人は債権者との関係でも債務を免れることになります。

 遺産分割においては、特定の相続人だけが借金を相続することにし、その分、多く資産を相続することに決めるということがよくあります。
 その場合、債権者の了解を得ておかないと、借金を相続した相続人が借金を途中で払えなくなった場合に、他の相続人も、債権者から請求を受けることになりますので、ご注意ください。

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