コラム

2015-12-17

再建築不可物件の主な理由とは?

再建築不可物件は、接道条件を満たしていないため、災害発生時に緊急車両の通行を妨げる恐れがあります。しかし建築当初から違反していたのではなく、建築基準法の施行に伴い設けられた基準を、建築済みの物件が満たせていないという問題です。

そのため特例措置として「セットバック」や「43条但し書き」を利用することで建て替えを行うことが可能になります。その際は、自治体ごとの条例を見落とさず、所有している敷地に適用されるルールを見落とさないことが重要です。

再建築不可物件はどこが違法建築に該当するの?

再建築不可物件とは、建築基準法に定める接道義務を満たしていない物件を意味します。接道義務というのは「幅4m以上の道路に2m以上接している土地でなければ家を建てることができない」という内容のものです。そのためこれに違反していることから、建て替えなどの再建築が不可能だとされます。

ここで疑問に感じるのは「どうして4m以上なのか?」という点です。幅4mというと、自動車がぎりぎりすれ違うことができる幅です。火災や地震などの災害発生時に、消防車や救急車を通すためのスペースを確保し救援活動を妨げないようにすること、避難経路の十分な確保を目的としているのです。しかし4m未満でも特定行政庁が指定している場合には、道路として扱われるため、例外のケースも存在します。

建築当初から違法だった?再建築不可物件が生まれた理由

現在では、再建築不可物件として取り扱われている物件も、建築当初から違法であった訳ではありません。建築基準法が施行されるまでは、生活道路は約2.7mもしくは約3.6mという1間半~2間で整備するのが一般的でした。そのため、これらのルール決められる前に建てられていた住宅は、災害時に危険だというように、法律が勝手に変えられてしまったのです。

しかし、それではあまりにも理不尽といえます。そこで「セットバック」という取り決めが出てきます。建築基準法が制定された時点、もしくは各市町村が都市計画区域に指定された時点、いずれか遅い段階で住宅がすでに建っていた場合、将来、再建築をする際に2mの位置まで敷地後退を行うことで、幅が4m未満でも道路とみなしてくれるのです。
そのため中古物件の広告に「セットバック」などという表記がある場合には、建て替えを行う際に、敷地の後退が必要になるという意味です。

自治体ごとに相違点が存在する再建築不可物件の詳細

接道義務に関しては、セットバック以外にも「43条但し書き」許可の取得という手段があります。建築基準法上の道路に接していない敷地の場合でも、周囲に空地や公園、緑地があり、十分な幅の道路に接していると認められれば、許可が下り、建築が可能になるのです。

そして、注意が必要なのが、自治体によって別途条例が設けられている点です。東京都の場合には、延べ面積が1000㎡超2000㎡以下は6m以上、2000㎡超3000㎡以下は8m以上、3000㎡超で建物の高さが15m超の敷地については、幅6m以上の道路に10m以上接していなければいけません。

他にも京都市においては、平成25年5月より一定要件を満たす場合には、接道が2m以下でも再建築が可能になるなど、自治体によって異なる情報を見落とさないように確認しておく必要があります。

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