コラム

 公開日: 2017-08-19 

離婚時の財産分与に時効や除斥期間はあるか?

離婚の際には、婚姻中に夫婦で築いた財産をどう分けるか検討しなくてはなりません。しかし、離婚する二人が冷静に話し合うこと自体が難しいこともあり、後回しにしてとりあえず離婚するというケースもあります。

財産分与は、慰謝料と同じように離婚後に請求することが可能です。ただし、その場合、注意しなければならないことがあります。それは離婚の財産分与請求権には、権利を行使できる期間が存在するということです。

財産分与には除斥期間がある

財産分与には「除斥期間」があります。この除斥期間とは、一定の期間内に権利を行使しなければ期間経過によって権利が消滅する制度です。

財産分与について請求できる期間は離婚後2年間で、この期間の間に権利を行使しなければなりません。

慰謝料請求については「時効」があり、この期間を過ぎると配偶者などから慰謝料を受け取ることが難しくなりますが、内容証明郵便を送付するなどの手段を取った場合、時効の進行を停止することができます。また、時効が完成しても夫(妻)などが慰謝料を支払う意思がある場合は、それを受け取ることができます。

なお、財産分与の除斥期間では進行を止めることはできません。もっとも、2年以内に家庭裁判所に調停や審判などの申立てを行うと、解決に至るまでは請求が可能となります。

また、時効においては相手が時効の援用(時効によって利益を受ける者が、時効の利益を受けるための意思表示をすること)をしなければ効力が生じないのに対して、除斥期間は、相手の援用を待つことなく効力が生じるという点で違いがあります。

もっと簡単に「除斥期間」について説明すると、権利について与えられた寿命のようなものです。寿命は権利が生まれたときからスタートし、寿命が尽きるのと同時に権利は消滅します。寿命ですので、途中でリセットすることはできません(時効のように進行を中断することはできません)。しかし、延命措置を講じることができる場合はあります。

財産の散逸や隠し財産の問題

離婚後、2年の期間があるとしても、早めに解決しておいた方が良い場合があります。

離婚する相手に「財産を渡したくない」というケースがあるからです。この場合、離婚時にあった財産が、請求時にはなくなっているということも考えられます。夫名義で所有していた共有財産を、夫が勝手に処分してしまった場合、請求権はあっても現実問題として分与が不可能となってしまいます。

また、相手が財産を隠している場合も考えられます。この場合の対処法として、弁護士会照会制度があります。これは、弁護士が依頼を受けた事件について、証拠や資料を収集し、事実を調査するなど、その職務活動を円滑に行うために設けられた法律上の制度です。この制度を利用することによって、相手の預金残高なども調べることができる場合もあります。

財産分与は離婚後の生活設計に関わってくる問題ですので、1つ1つ慎重に確認することが大切です。

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