コラム

 公開日: 2017-08-17 

離婚の前に、財産分与の年金分割について知っておくべきポイント

公的年金には、全国民に共通に支払われる国民年金と、それに上乗せして支払われる厚生年金や共済年金などがあります。夫がサラリーマンで妻が専業主婦の場合、2007年3月までの熟年離婚では、夫の厚生年金はすべて被保険者である夫に支払われ、妻が受け取れるのは自身の国民年金のみでした。

しかし、2007年1月から、離婚時年金分割制度が導入され、2007年4月1日以降の離婚については、婚姻中に支払った厚生年金や共済年金を夫婦で分割するシステムが法律によって定められたのです。この制度については「半分がもらえる」などの誤解があるようです。老後の支えとなる年金収入について、正しく理解をしておきましょう。

2007年4月以前の婚姻期間については合意分割

経済的な理由で離婚をためらっている妻にとって、年金分割は心強い制度ではありますが、
注意しなければならないのは、夫の受け取る年金のすべてが分割の対象になるわけではないということです。

年金の分割が認められるのは、婚姻期間中に夫が加入していた厚生年金の報酬比例部分についてのみです。

また分割の割合は夫婦の話し合いによって決定されますが、「最大で2分の1」となっています。夫婦で年金分割の割合を決め、社会保険事務所で手続きを行うことになりますが、合意に至らなければ裁判所へ申立てを行い、調停や審判で決めてもらうケースもあります。もっとも司法統計によれば、ほとんどが上限である2分の1の支払いが認められています。

2008年4月以降の婚姻期間については2分の1を自動分割

2008年4月1日からは、「3号分割制度」が導入され、国民保険の第3号被保険者であれば、同月以降の婚姻期間中の加入分については自動的に2分の1の権利が認められるようになりました。

第3号被保険者とは、サラリーマンの夫を持つ専業主婦などがこれに当たります。これによって、婚姻期間が1980年~2010年であれば、1980年~2008年3月までが合意分割、それ以降の加入分が2分の1の自動分割となります。

その他の注意点

以上のように、年金分割制度は、サラリーマンの厚生年金や公務員の共済年金に適用される制度ですので、自営業者の方は対象外となります。

また、厚生年金に上乗せして受け取る企業年金なども対象になりません。共働きの夫婦の場合は、それぞれの報酬比例部分を「足して2で割る」ことになりますので、妻の側の年金が減るということもあり得ます。

年金分割制度により、離婚後の夫婦間の経済格差を縮まったといえますが、これで老後は安泰とまではいかないのが現実です。

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