コラム

 公開日: 2016-07-20 

認知症になってもその人らしさは残る

病院に勤めていた頃、東京で珍しく雪が降った日のこと。

仕事に行ったら
「こんな雪の中きてくれたんだねー!こんなボケたばあさんにはあんたみたいな笑顔が一番の妙薬だよ!」と優しい言葉をかけてもらったことがあります。

朝、こんな雪の日に出勤か~と思っていたのですがそんな気持ちは一瞬で吹っ飛んだことは間違いありません。

この言葉をかけてくれた方は重度の認知症で家族の顔も認識が難しくなっていていた時期で夜になるとすごく暴れるような状態でした。

でも
こんな暖かい言葉をかけてくれるんです。

認知症になっても、自分の家族の顔が分からなくなっても、側にいる人への気遣いがあります。

自分で食事が食べられなくなっても、若いころの武勇伝を生き生きと話します。

自分で排泄ができなくなっても、「俺のベッドで一緒にねるか~」と冗談も言います。

言いたい言葉が出てこなくなっても、突然英語を話したりします。

自分の整容には興味がなくなっても、「看護婦さん、今日肌ボロボロだね」と鋭いことも言います。

認知症になっても愛に溢れている人がたくさんいます。

よくアルツハイマー型認知症になると人格が変わる、と言われたりしますが実際に関わったりご家族に聞いたりしても、私個人としては人格は残るという印象です。

「認知症になったから、なにも分からなくなる」という考え方はもう時代遅れだと思います。

周りの理解とサポートと愛があれば、その人らしく生きていくことが可能な時代になってきています。


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看護師・準看護師 市村幸美

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