コラム

2013-01-06

不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【27:角地緩和が使えない角地】

不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴
【不確定な契約条件の注意点/角地緩和(建蔽率10%アップ)が使えない角地⑦】


今回も、建蔽率の角地緩和が利用できない実例です。



画像をご覧下さい。









公図の赤い枠取りが本地(売買対象地)です。

前面道路は私道で、所有者はどこかの会社です。


本地の写真、南側道路と東側道路の写真と合わせて、

現況(L字型側溝)と土地境界(財産境界)の位置関係も

概略図にしておきます。


難しいポイントなので、緩和が受けられないかもしれない原因が

なかなか理解しづらいと思いますが、下記のコラムを読み直して

参考にして下さい。

http://mbp-tokyo.com/adcast-fujimori/column/27039/




この物件の角地緩和が適用できない原因の解説ですが、まず、両前面道路とも

2項道路なので、セットバック(道路中心から2mづつの後退)が必要となります。

また、2項道路ということは南側・東側道路どちらも幅員6m未満の道路なので、

隅切り(長さ2メートルの底辺をもつ二等辺三角形)が必要となります。



















セットバックは建築基準法によるもので、その敷地後退ラインは建築基準法による

道路ラインとなり、セットバックラインが本地内まで及べば、敷地内に

道路負担部分が生じるということです。

今回は、セットバックラインと本地部分は、ほぼ同じ位置になります。




注意が必要なのは隅切り部分です。

隅切り部分は建築基準法でなく、建築安全条例(東京都の場合)に基づいて

行っているので、セットバックと同じように道路形状にしても、

建築基準法の道路部分とはされません。


ケース①の、赤色の範囲がセットバック(建築基準法による道路形状)部分、

青色の範囲が隅切り(安全条例による道路形状)部分となり、三角形の底辺部分は

売買対象地の境界ラインですが、建築基準法上の道路に接していないことになり、

単なる二方向の道路に接しているだけの土地となっています。



今回の物件がこのケース①にあたりますが、この場合、角地緩和は受けられません。











ケース②でも同じことが言えます。









本地(財産境)に対して、建築基準法上の道路ラインが角地状に

なっていないので、本地部分の土地は角地緩和が利用できない

ことになります。

ちなみに、本地内までセットバックラインが及んでいるので、

その部分は道路形状にし、道路としてしか利用できません。

建蔽率や容積率の際の土地面積にも算入できません。

2項道路に接している土地の場合、ほとんどが敷地内まで

セットバックラインが及ぶ為、このような道路負担部分が生じ、

有効宅地面積が減少します。

角地緩和もそうですが、有効宅地面積がどれだけあるかによっても

建築可能な建物規模が変わってきます。




ケース③は、逆にセットバックラインが本地まで届かないパターンです。












今回の物件のように、セットバックラインがほぼ同位置の場合、

行政との協議の結果によっては本地に接するところまで、

セットバックライン(建築基準法上の道路)がこないおそれもあります。

そうなると、未接道にて建築不可の土地となる可能性もあるので注意が必要です。



このような、建築基準法の道路ラインに対して所有権がない為に

角地緩和が受けなれない場合、その部分の所有者から土地を購入

するなどの方法をとらないと、本地は角地として成立しません。

しかし、それは現実的ではないので、事前に知った際に出来ること

といえば、その分の価格交渉や、角地緩和を受けない場合の建物

ボリュームでも自身が納得できるか、もう一度検討することです。



尚、ある行政の建築審査課で聞いた話ですが、

建築審査上では所有者などは確認していないので、

勝手に角地として申請してもバレないのが現状とか。


これも決して堅実な方法ではありませんから、やはり、

その物件の法令遵守による本来の物件価値で判断する

べきでしょう。

その本来の物件価値を間違わないよう、緩和等の適用の可否判断に、

お役立て頂ければと思います。




次回は、角地緩和の利用ができない土地の最後です。

先程お話しました、勝手に角地申請してしまった例と、

それを正当化する為に、角地緩和の適用可能な理由を

行政が作ってくれた珍しい実例です。



尚、建築可能な建物の規模に関しては、斜線制限・高度地区・日影規制等により
建築制限を受け、角地緩和の利用未利用に限らず1割増の建蔽率利用が出来ない
場合がございます。特定の敷地に対する建築可能な建物規模については、
建築士等の専門家との打ち合わせが必要です。


この記事を書いたプロ

株式会社 アドキャスト [ホームページ]

不動産コンサルタント 藤森哲也

東京都渋谷区恵比寿南1-25-1 恵比寿プラックスビル5F [地図]
TEL:03-5773-4111

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