コラム

2012-09-28

不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【12:ゴミ置場】

今回の「不動産業者も見落とす落とし穴」シリーズでは、

「ゴミ置場に関するリスクヘッジ」について、

清掃事務所とのやり取りなど、実例に基づいて説明したいと思います。




さっそくですが、下の画像をご覧下さい。










物件の住宅地図と、区割りが分かる概略図があります。

本地の前面道路は行き止まりの私道です。






また、次の画像は現地の様子です。















本地は向かって左側にあります。


分譲地(1・6区画)の西側道路とは高低差があり、
擁壁が設置されているので西側道路へ直接の出入りはできません。

清掃事務所に確認したところ、東側の公道に面した場所などに
数ケ所の届け出はありますが、すべてマンション専用のもとのこと。

他に集積所の届出があるのは、西側道路上に接している個人宅の前1件のみ。
周辺にマンションしかなく、そのお宅は仕方なく個別にて回収している状況でした。






この住宅地図や物件概要、集積所の状況、現地の様子から分かる、
ゴミ置場について注意しなくてはならないポイントが、

・本地は以前、駐車場となっており住居がなかった為、既存の集積所が近くに無い。
・周りにはマンション(専用集積所)ばかりで、戸建てが利用している集積所が無い。
・私道で、転回広場などもない行き止まりの立地。私道内にも集積所は無し。
・1箇所(個別)ある西側集積所は、自宅前に8世帯分のゴミ出しなんて断る可能性が高い。

といった、ゴミ置場の確保・新設が困難な状況です。



この地域の清掃事務所に上記の立地状況を伝えた上で、下記の事項に注意しながら
ゴミ置場の新設が出来るかどうか確認する必要があります。

・私道承諾は必要かどうか
・通り抜けが出来ないが、バックなどで進入して回収はしてくれるのか
・清掃車が入れない(承諾取得が出来ない等)場合に、徒歩にて回収は可能であるか
・最悪の場合、その行政はどこまで動いてくれるのか



そして、清掃事務所への聞き取りの結果が以下となります。

・私道について・・・
「私道の場合は私道持分を持っていても持っていなくても、収集車が通り抜け出来る
道に面している事が原則であり、私道内に進入・通り抜けする為の承諾書を所有者
全員から取得しなければなりません。私道所有者が1人でも反対していれば私道内の
回収はできません」とのこと。

・承諾書の取得も出来ず、清掃車の通行(通り抜け)が困難な状況について・・・
清掃事務所内で協議後に折り返し電話をもらい、「上の者とも協議しましたが、
数十メートルの距離を、作業員が徒歩で回収することは、ちょっとできません。
毎週5日間のあいだに6台の清掃車が私道の入り口に停車して、6~8区画分の
ゴミを数十メートル運び出す作業は了承が下りませんでした」とのこと。

・ゴミ置場の新設が可能な箇所について・・・
「新設については、距離的に東側の公道沿いに、そこに面している方(大方がマンション)
から了承をもらって、新たに新設する方法を考えられと思いますが、これも現実的ではなく、
今では歩道上での新設は了承していないのです。現在、歩道上に出されている集積所は、
昔からそうであった経緯などがあり、黙認というか見逃してきている状況なので、新設する
場合は道路上でなく敷地内になります。おそらくマンションの敷地内に新設することは
景観上やマンション価値の低下にもなるしOKしてもらえないと思われます。
一番現実的なのは西側道路上だと思います。そこに面している区画をお持ちであれば、
そこに新設することが現実性が高いです」とのことでした。





西側道路上に1箇所(個別)ある集積所に、8世帯分のゴミ出しを承諾して
くれれば良いのですが、断られた場合、この物件の集積所確保には、
西側道路沿いに新設する以外なさそうな状況です。


また、その際の更なる注意点としては、西側道路沿いの区画(1・6区画)が売却され、
第三者所有となった場合、その所有者が了承してくれないと、その他の区画購入者は
西側道路上での新設もできない状況に追い込まれてしまうと言うことです。

本地に影響を与える、周辺の状況変化も予見しなくてはいけません。


・そして、そのような状況になった際の清掃事務所の対応について訪ねたところ・・・
「今の段階で何かしらの対策を考えていただくしか無いというか・・・。
確かにごみ出しでモメているところもありますが、なかなか解決できない状況が
続いてしまって、困っている状況のままであったりするので、そうならないように
今のうちに何かしら考えて下さいとしか言いようがないです」とのことでした。 
      

こういった、ゴミを出す場所が見当たらず、本地前に新設も出来ない区画がある場合、
「東側道路沿いに既存の集積所があり、利用、維持管理は周辺住民と協議の上、
買主の責任にて行い、万一、既存集積所が利用できない時は、新たに設置が必要」
という説明だけで、何の対策も講じていなければ、後々ストレスやトラブルとなります。





リスクヘッジの方法については売主(現所有者)が協力してくれるかどうかが重要です。


物件状況にもよりますが、今回の例ですと・・・

・公道面の第三者敷地内に出す承諾を取得してくれるか(これは現実的ではありません)
・前もって売主に、本物件8世帯分の集積所を新設してもらう。

西側道路へは直接出入りできない高低差があるので、ゴミ置場までに距離はありますが、
「住んでからまったくゴミを出す場所がない」「知らなかった、考えてもみなかった・・・」
という状況になるより良いですし、後者の案が一番現実的なリスクヘッジではないでしょうか。


その際、他の区画(1・6区画)の前にゴミを置く訳ですから、その区画の購入者に
その旨を了承させることを加えて、その内容(いつまでに、だれが)を契約条件として
書面に明記することが大切です。
また、集積所までの距離を考慮して、購入判断することが必要です。


この物件では・・・
『本物件については引渡日までに、売主が集積所を新設するものとします。
設置場所については常識的考慮において、各施設並びに近隣住人と協議の上、
売主が決定するものとし、協議の結果、本物件接面道路上にゴミ置場を設置
しなくてはならない場合や、本分譲地の他区画が利用するゴミ置場の設置
(本物件間口内含む)がなされる場合、本物件から新設箇所までに距離が生じる
場合があり、買主はこれを承諾するものとします。また、他区画の間口(敷地内
含む)上での新設がなされた場合、売主はその不動産購入者に対し、本分譲地の
他区画が敷地の一部(前面道路等)をゴミ置場として利用する旨の、告知並びに
了承を得るものとします』
とういう条件明記をして、しっかりとしたリスクヘッジがされたとなります。



不動産売買(特に土地のみの分譲)の場合、売主がゴミ置場まで考慮したり、新設する
などしてくれることはほとんどありません。大概は土地購入・建物建築後に、購入者
がご自信で協議したり、新設などをしています。



リスクをしっかり予見・把握し、契約条件でリスクの解消やデメリットの程度を
調整すること。

そしてその内容や状況が、自分の生活や感覚に大きな問題ではないかどかの検討をし、
その物件のメリットや魅力と総合して、購入したい物件であるかの判断をすることが、
大切です。




不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴【9:ゴミ置場の注意点】
http://mbp-tokyo.com/adcast-fujimori/column/24623/
不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴【10:利用できるゴミ置場がないケース】
http://mbp-tokyo.com/adcast-fujimori/column/24627/
不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴【11:ゴミ置場が新設できないケース】
http://mbp-tokyo.com/adcast-fujimori/column/24655/
不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴【12:ゴミ置場に関するリスクヘッジ】
http://mbp-tokyo.com/adcast-fujimori/column/24661/

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